光線力学的療法(PDT)は、照射部位だけに高い抗腫瘍効果を示す局所治療のため侵襲が少なく機能温存が期待される。新規PDTの候補となる蛍光薬剤ICG(インドシアニングリーン)は、特異的に肝癌(肝細胞癌、転移性肝腫瘍)、いわゆるICG蛍光肝癌に集積することは治療の腫瘍選択性を高める意味で学術的意義がある。従来治療法である手術、化学療法、放射線治療とは異なった全く新しいPDTを開発するという点は特に低侵襲であること、従来治療法との併用療法が可能であること、また従来頻用されている蛍光薬剤でもあることから低費用という観点で社会的意義があることが期待される。
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