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2019 年度 実施状況報告書

プライマリーCD4T同時輸注によるCEAを標的としたCAR-T療法の増強と機序

研究課題

研究課題/領域番号 19K09195
研究機関三重大学

研究代表者

王 立楠  三重大学, 医学系研究科, 特任助教(研究担当) (00589484)

研究分担者 加藤 琢磨  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (60224515)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードCAR-T / CEA / TAA / primary CD4T
研究実績の概要

造血器腫瘍に対して著効を発揮したキメラ抗原受容体導入T細胞(CAR-T)輸注療法の固形がんに対する適用拡大が期待されている。しかし、造血器腫瘍には存在しない固形がんに特徴的ながん微小環境では免疫抑制機構が発達しており、その様な環境下でも優れた抗腫瘍活性が維持できるCAR-T輸注法を樹立する必要がある。本研究では、がん微小環境における免疫抑制に大きく寄与する制御性T細胞とPD-L1に対して抵抗性を付与するGITR副刺激分子のシグナル伝達ドメインを搭載するzG型CAR-Tを用いた輸注療法において、未加工のCD4陽性T細胞(primary CD4T)の同時輸注によるCD4Tのヘルパー機能を利用した抗腫瘍機能増強効果とその機序について明らかにした。
代表者らはC57BL/6(CD45.1)マウス脾臓からセルソーターを用いてCD8T細胞を精製し、定法に従ってCEA特異的zG型CARをレトロウイルスベクターを用いて導入、10から14日間拡大培養してCEA特異的zG型CAR-CD8Tを調整する。CEA導入マウス腫瘍株(MC32a,2 x 106個)を担癌したC57BL/6(CD45.2)マウスに担癌4と5日目にフルダラビン(Flu, 2.5 mg)、5日目にシクロフォスファミド(CY, 2.5 mg)を腹腔内投与し、リンパ球減少性の前処置を施す。担癌7日目にCEA特異的zG型CAR-CD8T(1 x 106個)を輸注する。同数の精製した新鮮で未加工の全CD4T 、ナイーブ(CD44lowCD62Lhigh ) CD4Tとメモリー(CD44highCD62Llow)CD4Tを同時に輸注、腫瘍径を経時的に測定した結果、有効性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年末、外注したレトロウイルスベクターは導入効率が悪く、何回か繰り返し直してきたため。

今後の研究の推進方策

(1)CD4Tに由来する増強作用を発揮する責任分子の同定
フェノタイプを持つCD4Tを同時輸注した担癌マウスから経時的に血清と、CD45.1とCD4を指標に末梢血と腫瘍に浸潤した同時輸注CD4Tを回収する。cytokine beads array法やsingle cell transcriptome 法を用いてCAR-CD8Tの機能・生存性昂進に寄与するサイトカインや細胞表面分子を、非同時輸注の血清や新鮮CD4Tとの比較により絞り込む。また、絞り込んだサイトカイン・細胞表面分子に対する抗体、さらにそれらをCRISPR-Cas9を用いてノックアウトしたCD4Tを同時輸注し、責任分子を同定する。
(2)輸注CAR-CD8Tの質的(浸潤能、機能昂進、代謝リプログラミング)・量的(生存性、メモリー形質の獲得)変化CD45.1とCD8を指標に末梢血と腫瘍に浸潤した輸注CAR-CD8Tを回収する。single celltranscriptome 法を用いて腫瘍浸潤能や抗腫瘍機能に寄与する遺伝子発現を解析する。さらにin vitroで抗原特異的刺激を加えた後の代謝変化をグルコースの取り込み、乳酸の排出、細胞内NADPとNADPH濃度を測定する。非CD4T同時輸注群から回収したCAR-CD8Tとの比較よりこれらの質的変化を明らかにする。また、細胞表面染色により疲弊マーカー(KLG9, Tim-3, LAG-3, PD-1)や長期性生存性マーカー(CD62L, CCR7)の発現状態を明らかにする。

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公開日: 2021-01-27  

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