研究実績の概要 |
パイロット研究に用いたサンプルに加えて、追加の生検組織を研究協力者からご提供いただいた。これにより食道扁平上皮癌74症例について、術前化学療法前の生検組織が得られた。また術前化学療法の奏効性をはじめとする各種臨床情報もご提供いただいた。治療法は約半数がDCF療法、残りがFP療法およびCRT療法となっている。生検組織からtotal RNAを抽出し、高品質なRNAについてはTruSeq Stranded mRNA Sample Prep kitで、そうでないものについてはKAPA RNA HyperPrep Kit with RiboEraseを用いて、RNA-Seqライブラリを作成した。シーケンシングにはIllumina HiSeqを用いた。得られたRNA-SeqリードはSTARソフトウェアを用いてヒトゲノム配列へマッピングし、featureCountsソフトウェアを用いて遺伝子あたりのリード数を算出、自作スクリプトを用いてFPKM発現量を算出した。またRNA-SeQCを用いて品質チェックを実施した。またFPKM発現量から、各種の免疫遺伝子発現シグネチャーを算出した。具体的にはCIBERSORT, MCPCounter, EPIC, xCELLを適用することで、CD4 T細胞、CD8 T細胞、制御性T細胞、マクロファージ、NK細胞、B細胞、樹状細胞、好中球、単球など、腫瘍内浸潤免疫細胞の分画を推定した。また抗腫瘍免疫の指標としてcytolytic activity, ESTIMATE, インターフェロンγシグネチャーを算出した。またT細胞シグネチャー遺伝子に階層的クラスタリング法を適用し、腫瘍をHot、Coldへと分類した。
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