研究課題/領域番号 |
19K09212
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
|
研究分担者 |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 研究准教授 (30743918) [辞退]
羽入 隆晃 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50719705)
石川 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70586940)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
加納 陽介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90745580)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 食道癌 / 化学療法 / NOTCH / TCGA / 免疫組織化学染色 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「食道癌におけるNOTCHシグナル異常の臨床的意義を明らかにすることで、食道癌化学療法奏効性の背景にある分子機構解明のための科学的基盤を確立すること」である。 本年度は、癌遺伝子パネルにより遺伝子解析データを取得した術前ドセタキセル+シスプラチン+5-FU療法施行症例8例について、NOTCH1のタンパク質発現を評価した。術前治療開始前の生検検体を用いて、抗NOTCH1抗体による免疫組織化学染色により発現を評価した。非腫瘍性胃粘膜の腺窩上皮や非腫瘍性扁平上皮の基底層が陽性コントロールとして染色されることを確認した。扁平上皮癌腫瘍組織では非腫瘍性扁平上皮と比較してNOTCH1発現は高かった。腫瘍細胞では核や細胞質またはその両者に染色を認め、染色パターンは同一腫瘍内、および症例間で様々であった。NOTCH1 truncating mutation陽性の2例では他の症例と比較して細胞質および核での染色強度が低かった。 今回の実験により、抗NOTCH1抗体の免疫染色により食道扁平上皮癌の生検検体におけるNOTCH1発現を評価できる可能性が示された。定性的または定量的な評価から統計学的な検討までは行えていないため、今後は評価方法を確立して多数検体での検証が必要である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は免疫染色に着手したが、多数検体での検証までは行っていないためやや遅れている。免疫染色の対象となる食道癌術前化学療法症例のうち治療前生検検体が入手できる41例の臨床病理学的因子の抽出やFFPE検体の準備は終了しており、近日中に多数検体での検証に着手する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は術前化学療法を施行した食道扁平上皮癌41例の生検検体を用いた免疫染色によりNOTCH1発現と治療効果や予後との関連を明らかにする。さらに、TCGAのRNAseqデータを用いNOTCH関連遺伝子の発現状況と予後との関連も検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現地開催の学会が無かったことから若干の次年度使用額が生じた。翌年度分の助成金と合わせて、今後の実験費用(免疫染色費用)や、学術集会への参加費、学術論文の投稿費用、研究補助の人件費等に充当する。
|