研究課題
(研究の目的)本研究では、各週齢(各重症度)のハムスター拡張型心筋症モデルに対する網羅的ペプチド解析およびイメージング質量分析法により、拡張型心筋症における病態進行に関連するバイオマーカーを同定することを目的とする。(本年度の研究実績)本年度は重症度評価におけるコントロールとして、若齢(4-6週齢)のハムスターモデルの心臓組織に対して、最先端のイメージング質量分析法であるMALDI-TOF/IMS法を用いた特異的なシングルピークを検出を試みた。その結果、病態の発症に関連すると考えられる特異的な細胞集団の出現を確認することができた。さらにイメージング質量分析法により、心臓組織におけるその細胞集団の部位特異的な集積を確認することができた。さらに、ショットガン解析法によるLC-MS/MSをもとにした蛋白解析手法により、拡張型心筋症の病態発症に関連する可能性のある複数のタンパク質を同定することができた。次年度はこれらの本年度の研究成果をもとに、さらに年齢を重ねた重症度の高いハムスターモデルを用いた同様の解析手法により、病態の進行に関連するバイオマーカーの同定を試みると同時に、免疫染色を含めた種々の組織学的検討を加えることにより、バイオマーカーとしての有用性について検討する。これらの研究成果により、最終的に病態進行に特異的なバイオマーカーを同定し、将来的な臨床研究による実証を経た、最終的な拡張型心筋症に対する包括的マネジメント戦略の確立につなげるための基礎科学的知見を得ることを目指す。
2: おおむね順調に進展している
若齢のハムスター拡張型心筋症モデルにおいて、病態の発症に関連すると思われる特定の細胞集団を心臓組織内において同定し、イメージング質量分析法によりその心臓組織内での局在を明らかにした。さらにショットガン解析法による蛋白分析により、病態発症に関連するタンパク質を複数同定することができた。
本年度の研究成果をもとに、さらに週齢を重ねた重症度の高いハムスター拡張型心筋症モデルを対象に同様のイメージング質量分析法とショットガン解析法を併用することで、病態進行に関連するバイオーマーカーを同定し、組織学的検討を重ねることでそのバイオマーカーとしての有用性を確認する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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