研究課題/領域番号 |
19K09242
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 和裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (50464227)
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研究分担者 |
川東 正英 京都大学, 医学研究科, 助教 (00837700)
湊谷 謙司 京都大学, 医学研究科, 教授 (20393241)
池川 雅哉 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60381943)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 拡張型心筋症 / イメージング質量分析 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
(研究の目的) 本研究では、各週齢(各重症度)のハムスター拡張型心筋症モデルに対する網羅的ペプチド解析およびイメージング質量分析法により、拡張型心筋症における病態進行に関連するバイオマーカーを同定することを目的とする。 (本年度の研究実績) 本年度は引き続き、若齢(4-6週齢)のハムスターモデルおよび年齢を重ねた重症度の高いハムスターモデルを用いて、心臓組織に対して、最先端のイメージング質量分析法であるMALDITOF/IMS法を用いた特異的なシングルピークを検出を試みた。その結果、病態の発症に関連すると考えられる特異的な細胞集団の出現を確認することができた。さらにイメージング質量分析法により、心臓組織におけるその細胞集団の部位特異的な集積を確認することができた。さらに、ショットガン解析法によるLCMS/MSをもとにした蛋白解析手法により、拡張型心筋症の病態発症に関連する可能性のある複数のタンパク質を同定することができた。次年度は同定されたタンパク質のバイオマーカーとしての有用性について検討する。最終的に病態進行に特異的なバイオマーカーを同定し、将来的な臨床研究による実証を経た、最終的な拡張型心筋症に対する包括的マネジメント戦略の確立につなげるための基礎科学的知見を得ることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハムスター拡張型心筋症モデルにおいて、病態の発症に関連すると思われる特定の細胞集団を心臓組織内において同定し、イメージング質量分析法によりその心臓組織内での局在を明らかにした。さらにショットガン解析法による蛋白分析により、病態発症に関連するタンパク質を複数同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果をもとに、病態進行に関連するバイオーマーカーを同定し、組織学的検討を重ねることでそのバイオマーカーとしての有用性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で共同研究を行っている同志社大学への訪問が制限されたことにより、イメージング質量分析法やショットガン解析法をといった実際の機器を使用した解析の一部が滞った。次年度では、予定していた解析を実施し、病態進行に関連するバイオーマーカーを同定し、組織学的検討を重ねる。
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