研究課題/領域番号 |
19K09255
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
蒲生 修治 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20273930)
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研究分担者 |
常住 淳 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (90583310)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 糖尿病 / グラフトれん縮 / 血管平滑筋 / 高血糖 |
研究実績の概要 |
これまで我々の研究室では、糖尿病患者から摘出された血管サンプルでは、非糖尿病患者の血管と比較してセロトニンまたはアンジオテンシンⅡに対する収縮反応性が増強していることを見出し、これまで経験則で知られていた、糖尿病患者で冠動脈バイパス手術後に移植血管のスパズムが起きやすい理由を科学的に証明した。そしてその変化をもたらす機序の解明を目指して検討を進めてきた。 2020年度は培養ヒト冠動脈平滑筋細胞の培地中に、インスリンもしくはグルコースを添加することにより、細胞膜上のセロトニン5-HT2A受容体もしくはアンジオテンシンAT1受容体のタンパクレベルに影響を与えるかどうかを検討した。その結果、高濃度グルコースを添加した平滑筋細胞において、タンパクレベルが上昇する傾向が見られた。この結果は、高血糖が平滑筋細胞のアゴニスト刺激に対する反応性を上昇させる可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年4月に着任した准教授を研究分担者に加えて研究組織を再編成したため、実験手技の修得・熟練に時間を要した。 また、新型コロナウィルスの蔓延により、海外からの物資が入手困難となったり、グローブや培養消耗品が医療機関などに優先的に回され、入手に時間がかかったりする事例が相次いだ。 同じく新型コロナウィルスの蔓延により、ヒト血管サンプルの入手先である病院も発送などの余裕がなくなったため、サンプルの入手も難しくなった。
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今後の研究の推進方策 |
物品の発注は余裕をもって行うこととし、欠品による実験の遅れを防ぐ予定である。 病院の混乱は当分収まらないと考えられるため、当面は培養細胞や、場合によっては動物実験などで代替できるデータの取得を優先する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス蔓延の影響で物流に障害が発生し、購入を予定していた試薬等が買えないなどのトラブルが生じたため繰り越しとなった。2021年度は、優先的に検討する項目を見直し、余裕を持った発注を行うとともに、比較的入手しやすい物品・試薬で代替できる実験を優先的に実施する。それに伴って研究費も当初の予算を余すことなく使用する予定である。
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