研究実績の概要 |
当施設の倫理委員会の承諾を得た上で、患者から本研究への同意書を得て、当科の人工心肺心臓手術周術期のヒト血液検体を得た。採血のタイミングとしては、麻酔導入前、ヘパリン投入後(人工心肺導入前)、人工心肺終了後、MUF(透析)を終えてプロタミンを投与前後、術後1日目(POD1)に採血をおこなった。現在まで、人工心肺中の検体を1086献体、バイオバンクに保存している。 また、臨床研究では、プロタミン単独で使用することは無く、プロタミンのHMGB1やHRGへの影響を明らかにすることはできないため、プロタミンの影響を明らかにするために動物実験を施行した。ラットに全身麻酔をかけ、鼠蹊部より静脈ラインを挿入し、ヘパリンを投与、続いて、プロタミンを0.1mg/kg IVし、その前後で採血を行い、HMGB1とHRGの血中濃度に影響があるかどうかを測定した。動物群は、A群(ヘパリン25μl+975μl生食=計1ml, プロタミン25μl+生食975μl=計1mlを投与、B群(ヘパリン50μl+950μl生食=計1ml, プロタミン50μl+生食950μl=計1mlを投与)、C群(ヘパリン75μl+925μl生食=計1ml, プロタミン75μl+生食925μl=計1mlを投与)、生食群(生食1mlを2回投与)、プロタミン群(生食1ml, プロタミン50μl+生食950μl=計1mlを投与)、とした。ヘパリン投与前(0分)で採血した後ヘパリンを投与し10分後に採血、30分で採血した後にプロタミン投与し10分後の40分で採血という採血プロトコールでおこなった。現在実験進行中である。
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