研究課題
本課題の最終年度である2021年度は、昨年度までの成果を論文化まで進めることが出来た(Journal of photopolymer science and technology: 国際学会発表と同時に、同誌へ2報投稿、一報はアクセプト: in press、一報は査読中)。具体的な新規性は、Diamond-like carbon(DLC)を下地に、その表面にMPCポリマーブラシを生成したことである。本成果の意義は大きく二つある。一つ目は、MPCポリマーコーティングをブラシ化(高密度化)することで薄層化に寄与すること、二つ目は、このMPCポリマーブラシをDLC上に成膜したことである(世界初)。つまり、これまで用いられてきた医療用基材へのMPCポリマーコーティング(潤滑性、親水性付与)について、本成果では、DLCを下地にすることで、これまでMPCポリマーコーティングが馴染まなかった基材表面への成膜を可能にする技術となる。今後の課題は、本成果がMPCブラシの安定化(対剥離性)に寄与することを証明すること、さらに、管腔構造(人工血管等の小口径基材)への応用であり、特許申請も含め準備を進めている。これらが整えば、新規人工血管の開発や、とくに脳外領域で問題となっている”ポリマー塞栓”に対して、対剥離性能を持つ新規カテーテルコーティング技術となる可能性を秘めている。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
Journal of Photopolymer Science and Technology
巻: In Press ページ: In Press
Journal of Economic Maintenance Tribology, 潤滑経済
巻: 675 ページ: 17-21