研究課題/領域番号 |
19K09277
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
服部 薫 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30724439)
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研究分担者 |
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339691)
新浪 博 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30241079)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大動脈二尖弁 / 上行大動脈血流 / 拍動循環システム / 4D-flow MRI |
研究実績の概要 |
交連配置角比の異なる数種類の大動脈二尖弁モデルを作製し、交連配置角比と小弁尖の位置関係で規定される二尖弁形態が上行大動脈血流に及ぼす影響を、新たに開発したMRI対応型拍動循環回路を用いて実験的に検証した。大動脈二尖弁の交連配置角比は収縮期ジェットの偏位度に、小弁尖の位置は収縮期ジェットの方向に強い影響を及ぼす。小弁尖が上行大動脈の大彎側(右前方壁)に接する大動脈二尖弁形態では、上行大動脈の大彎壁へ衝突する偏位性の大きい収縮期ジェットが観察され、非対称性上行大動脈瘤の危険予測因子となり得る。一方、小弁尖が上行大動脈の小彎に接する弁形態では、近位弓部大動脈の大彎壁へ衝突する高偏位性ジェットが観察され、上行弓部大動脈瘤の主要関連因子と考えられた。一方、均等な二枚の弁尖から成る二尖弁形態では、偏位性の小さい収縮期ジェットが観察され、上行大動脈へのジェットの衝突は認められなかった。 近年、4D-flow MRIを用いた臨床研究によって、大動脈二尖弁の弁癒合形態が上行大動脈血流異常の主要関連因子となることが報告されている。本研究では任意の交連配置角比を有する大動脈二尖弁モデルを作製するための弁形成用機器を新たに開発し、MRI対応型拍動循環回路を用いて、収縮期ジェットの特性を決定する大動脈二尖弁の形態的パラメータ(交連配置角比、小弁尖の位置)を明らかにした。今後は上行大動脈形態が収縮期ジェットに及ぼす影響を明らかにし、収縮期ジェットへの影響に主軸を置いた新しい大動脈二尖弁形態分類を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験が順調に行われ、満足のいく結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
上行大動脈形態と収縮期ジェットの関係を実験的に明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
追加実験を予定しており、そのための物品費が必要。
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