研究課題/領域番号 |
19K09286
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 新一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (00190827)
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研究分担者 |
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 准教授 (90559890)
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
諏澤 憲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
冨田 秀太 岡山大学, 大学病院, 准教授 (10372111)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / DCLK1 |
研究実績の概要 |
本研究は腫瘍幹細胞マーカーであるDCLK1の阻害が悪性胸膜中皮腫細胞に抗腫瘍効果を及ぼすことに着目し、悪性胸膜中皮腫において同タンパク質を抑制することによる抗腫瘍効果を検討し、さらに同タンパク質を標的とする薬剤を独自に構築する技術でスクリーニングし、当該疾患に対する新規治療法の確立を目指すものである。悪性胸膜中皮腫細胞株におけるDCLK1アイソフォームの発現パターンは細胞株によって異なっている。一方で正常中皮細胞株ではDCLK1の発現を認めなかった。DCLK1阻害による腫瘍増殖抑制効果は予備実験により明らかとなったが、アイソフォーム選択的に阻害した場合の効果は不明である。令和2年度は、令和元年度に実施したsiRNAによるDCLK1阻害後の細胞増殖抑制効果の機構を解明するため、バイオインフォマティクス解析を行っているが解析途中である。また、DCLK1発現による細胞増殖能の変化や浸潤能の獲得の有無について検討するためにDCLK1発現ベクターを作成し正常中皮細胞株に導入する実験を進めている。さらに、DCLK1を標的とするshRNAを作成・導入して安定的に発現が阻害された悪性胸膜中皮腫細胞株を樹立する実験も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
siRNAによるDCLK1阻害後の細胞増殖抑制効果の機構を解明するためバイオインフォマティクス解析を行っている。また、DCLK1発現による細胞増殖能の変化や浸潤能の獲得の有無について検討するためにDCLK1発現ベクターを作成し正常中皮細胞株に導入する実験を進めている状況であり、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
DCLK1を標的とするshRNAを作成・導入して安定的に発現が阻害された悪性胸膜中皮腫細胞株を樹立し、in vivoでの腫瘍形成能を検討するとともにマイクロアレイ解析などによりDCLK1阻害による下流のシグナル伝達経路の変化を探索する。 DCLK1を標的とする候補薬剤を見出すために、DCLK1 リコンビナントタンパク質を精製する。DCLK1は自己リン酸化を受けるキナーゼであり、リン酸化を検出することで当該タンパク質の活性化を判定する。DCLK1の自己リン酸化を引き起こす因子は明らかとなっていないが、DCLK1発現腫瘍細胞株からの抽出物をリコンビナントタンパク質と反応させ、リン酸化を検出できるか検討し、ELISA法によるDCLK1活性化検出システムを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入において、一部当初の見込みよりも少額で購入出来たものがあったため、27,606円の余剰が生じたが、新たに物品を購入出来る金額ではなかったために年度内の使用は不可能であった。次年度に繰り越して物品購入に充当する。
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