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2020 年度 実施状況報告書

凍結および真空乾燥ヒト羊膜を利用した新規呼吸器外科領域被覆材の創製

研究課題

研究課題/領域番号 19K09290
研究機関長崎大学

研究代表者

永安 武  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)

研究分担者 土肥 良一郎  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00817786)
長井 一浩  長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30304942)
上松 聖典  長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30380843)
土谷 智史  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30437884)
北岡 隆  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80234235)
高木 克典  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90635856)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード羊膜 / 再生医療 / 胸膜癒着
研究実績の概要

羊膜は出産後に通常廃棄されるが、再生医療分野での新しい生体由来の素材として応用され始めている。一方で、呼吸器外科領域での使用を目的とした研究や報告はほぼ皆無である。本研究では、当施設の羊膜バンク(カテゴリーI)との共同研究により、羊膜の抗炎症、組織修復、癒着防止作用に着目し、呼吸器外科領域での有効性を検証する。その結果、近年増加している悪性胸膜中皮腫に対する胸膜剥皮術後に起こる胸膜の広範欠損のみならず、骨髄移植後や肺移植待機患者に起きる致死的なair leak syndromeへの全肺被覆用材として、さらには気胸を含む通常の呼吸器外科手術時の胸膜損傷に対する部分的な胸膜被覆、気管・気管支吻合部の創傷治癒促進など、呼吸器外科分野における再生医療への臨床応用が可能となる。
昨年度まで、ラットの開胸胸膜癒着モデルを作成し、肺表面に-80℃で保存された気質羊膜を張り、癒着防止効果を調べた。ラットを用いて動物実験計画書の通りに壁側胸膜焼灼モデルで癒着モデルを作製し、良好に癒着モデルができた。しかし病理学的に一部に癒着が軽度の部分がみられたが、有意とはいえず、ヒト羊膜を被覆しても癒着防止効果はなかった。羊膜付着部には強い炎症性癒着があり、焼灼によるものの他に異物反応による癒着の可能性も考えられた。ラットの呼吸運動による胸膜のスライドの距離が短いことから、ラットモデルでは癒着の防止効果は少ないと判断した。
昨年度の結果をふまえ、今年度は呼吸運動による肺表面の移動距離の大きな大型動物である、ブタを開胸した胸膜癒着モデルを作成した。そのモデルでヒト羊膜を開胸部の癒着発生部分に貼り付けて置き、経時的な変化をみたが、やはりより強い癒着が起きた。この結果から、異種の凍結羊膜は、異物反応あるいは炎症反応を誘起するという仮説と逆の結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

小型動物や大型動物を利用して、ヒト凍結羊膜による、胸膜癒着防止効果の証明実験を続けているが、現在まで、動物モデルでは証明できていないため。

今後の研究の推進方策

今年度は、採取した中皮細胞を凍結羊膜に播種して、その癒着抑制効果を確認する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で一時的に実験がストップし、さらに予定した旅費を使用できなかったため。令和3年度は大型動物の実験や、コロナ感染の状況をみながら旅費として使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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