研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤治療前後の肺癌組織について、肺癌細胞の免疫制御性分子と免疫促進性分子の発現を、免疫染色を用いて解析する。発現の程度と経時的な変化を確認する。免疫チェックポイント阻害剤の効果と肺癌細胞の免疫制御性分子および免疫促進性分子の発現との関連を確認する。すでに、16例の免疫染色は終了しており、現在解析中である。 また、免疫チェックポイント阻害剤を投与した肺癌症例の治療前後の末梢血リンパ球を採取する。免疫制御分子 、免疫促進分子の分子発現をflow cytometryにて確認、発現強度と免疫チェックポイント阻害剤の臨床効果を確認する。つまり、免疫チェックポイント阻害剤に抵抗性を獲得した症例で、免疫制御性分子の発現増強、免疫促進性分子の発現減弱等が認められないか解析を行う。得られた分子プロファイルと治療効果および有害事象との関連を調べる。現在、16例の末梢血リンパ球の分離、保存は終了している。健常人の末梢血リンパ球を用いて、flow cytometryの条件設定も終了している。抗体も、CD4,CD8, CD25, GITR,41BB, OX-40, CD56, グランザイム、Ki67, TCRαβ, CD103, CD39, HLA-DR, CD11b, CD14, CD33, CD15, PD-1, PD-L1, TIM3, LAG3, CTLA-4, TIGHIT, Foxp3, CD45RA,等のflow cytometry用抗体mも購入した。flow cytometryを開始していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫チェックポイント阻害剤単剤投与を行なった肺癌症例16例の投与前肺癌組織と投与前後での末梢血リンパ球の保存が終了した。肺癌症例3例については投与後の肺癌組織も採取し、投与前後の肺癌組織標本を用いて、CD8, CD103, MHC class I, PD-L1分子の免疫染色を行なった。現在、結果について統計解析を行なっている。2021年11月の日本肺癌学会総会で発表予定であつ。また、末梢血リンパ球のflow cytometryについては、現在健常人の末梢血リンパ球を用いて、条件設定が終了した。疫制御分子であるPD-1, CTLA-4, LAG-3,TIM-3, TIGIT, PD-L1 、免疫促進分子であるCD28, ICOS, OX40, 41BB, CD40L1の分子にそれぞれに特異的な抗体も購入した。保存している肺癌症例の末梢血リンパ球のflow cytometryを行う。
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