研究課題/領域番号 |
19K09295
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
阿部 二郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (10573686)
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研究分担者 |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
望月 麻衣 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 研究員 (40726303)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺扁平上皮癌 |
研究実績の概要 |
肺癌は全癌種中死亡者数が一位である悪性度の高い癌である。しかし、そのほとんどは腺癌に関するものであり、全体の三割を示す扁平上皮癌については、有効な治療標的の報告がほとんどない。近年、発癌は正常幹細胞の変異によって引き起こされるという知見が蓄積されつつある。申請者らの研究室では、頭頸部(下咽頭)・気管支・食道・外陰部・陰茎・子宮頸部などの組織において、幹細胞が多く含まれる正常粘膜上皮の基底層にCD271(神経成長因子受容体)が強く発現することに着目し、CD271と発癌との関連を研究してきた。現在まで、下咽頭癌においてCD271陽性細胞が高い造腫瘍能を有すること、また、CD271自身が下咽頭癌の増殖を強く制御する因子であることを報告し、CD271が治療標的となり得ることを報告してきた。申請者らはこの研究を基に、正常上皮基底部でCD271を発現する臓器の癌、主として扁平上皮癌の悪性化にCD271が関与すると考えた。これらの癌の中でも特に罹患数の多い肺癌(扁平上皮癌・腺癌)の免疫染色を行ったところ、肺腺癌においてCD271陽性症例は認められなかった(0/25例)。一方、肺扁平上皮癌ではCD271陽性が認められた(52/76例)。さらに、肺扁平上皮癌患者の中でもCD271陽性症例は有意に予後不良であった。以上のことから、申請者らはCD271が肺扁平上皮癌の悪性度に関与するという仮説を立てた。 本年度は引き続き肺扁平上皮癌マウスモデルの作成を行った。AJ backgroundへのバッククロスがほぼ終了し、化学刺激によって肺扁平上皮癌が発生することを確認した。現在はタモキシフェンによるCD271ノックアウトを実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書通りに進めている
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今後の研究の推進方策 |
ノックアウトマウスの解析を続ける
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はマウスの交配が主な実施内容であったため、次年度に表現型解析の多くを実施することとしたため。
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