研究課題/領域番号 |
19K09302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大角 明宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (90829574)
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研究分担者 |
芳川 豊史 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00452334)
伊達 洋至 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺移植 / 体外肺灌流 / 虚血再灌流傷害 / 単核貪食細胞 |
研究成果の概要 |
臓器保存液によるドナー肺のフラッシュ後、肺内に白血球が残存する。白血球分画の中で、単核貪食細胞は移植後の肺障害に関与することが報告されている。欧米の肺移植臨床において、体外肺灌流装置は移植前のドナー肺の機能評価に頻繁に使用されている。この灌流中にドナー肺の治療を試みた。本研究においては、ラットのドナー肺を灌流している間に、薬剤(clodronate liposome)を投与し、ドナー肺内の単核貪食細胞を減少させることに成功した。更に、この治療を行ったグラフト肺を別のラットに移植した群は、治療を行わなかった群と比較し、移植後の肺傷害が軽減される事を見出した。
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自由記述の分野 |
肺移植
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺移植においてドナー肺不足は深刻な問題である。前述のように、ドナー肺内には白血球が残存し、特に白血球分画の中で単核貪食細胞は移植後のドナー肺の機能不全に大きく関与するとされている。貴重な使用し得るドナー肺を増加させ、かつ移植肺の機能を向上させるには、移植前に治療を行い、かつ機能評価を行うことが極めて重要である。本小動物研究においては、体外肺灌流中に薬剤を用いて単核貪食細胞を除去し、移植後の肺傷害を軽減することを見出した。今後、中・大動物においても効果を確認する必要はあるが、同治療法は、移植前の治療・評価により、移植し得るドナー肺を増加させ、かつ質を改善させうる、非常に有用な手段と考える。
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