研究課題/領域番号 |
19K09307
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川上 行奎 徳島大学, 病院, 特任講師 (00596249)
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研究分担者 |
近藤 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10263815)
滝沢 宏光 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90332816)
吉田 光輝 徳島大学, 病院, 講師 (30403710)
坪井 光弘 徳島大学, 病院, 助教 (10711872) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺癌 / 同所移植 / マウス肺移植 / 化学療法 / 免疫療法 |
研究実績の概要 |
我々のグループが研究を重ねてきた,肺癌同所移植モデルの技術と,マウス肺移植モデルの技術を組み合わせ,これまでにない,肺癌同所移植マウスへの“抗がん剤,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与モデル”や“抗がん剤投与後の肺切除モデル”を作成し,今まで,ヒトの臨床研究ではなし得なかった,癌切除後の長期経過,癌微小環境,周囲間質の免疫の環境,また,切除肺や真の個別化医療へと繋げ,社会的に有用な恩恵をもたらすことを最終目標としている.残存肺全体の組織学的検索,相互に作用する血中,組織中のサイトカイン,ケモカインなどの蛋白の変化を探求し,真の個別化医療へと繋げ,社会的に有用な恩恵をもたらすことを最終目標としている.当該年度は,これまで我々が継代してきたヒト肺癌細胞株A549を用いた同所移植を免疫不全マウスを用いて開始し,同所移植のモデルの確立に臨んだ。A549肺癌細胞株は長期継代しているため,増殖速度が遅い細胞株もあり,凍結しているストックから起して再継代し,投与を進めている.肺切除モデルの作成にあたり,マウスの経口挿管,全身麻酔管理,開胸から閉胸,抜管までの全身麻酔管理を安定させることに技術員とともに回路の設定と換気量,麻酔深度を設定してきた.左肺に抗がん剤を移植した後の左肺全摘を考えており,できるだけマウスに負担をかけない肺門処理(肺動静脈,気管支)を新たに再確認してきた。麻酔は安定化し、肺門処理にもう少し工夫を加える段階である。同所移植の手技と細胞調整に改善が必要で、肺内での細胞の増殖が不安定な状態であり,安定した移植において的確なモデル作りを続行している。現在,免疫療法での研究を継続するにあたりマウス由来の肺癌細胞株を購入し,培養を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は,これまで我々が継代してきたヒト肺癌細胞株A549を用いた同所移植を免疫不全マウスを用いて開始し,同所移植のモデルの確立に臨んだ。A549肺癌細胞株は長期継代しているため,増殖速度が遅い細胞株もあり,凍結しているストックから起して再継代し,投与を進めている.肺切除モデルの作成にあたり,マウスの経口挿管,全身麻酔管理,開胸から閉胸,抜管までの全身麻酔管理を安定させることに技術員とともに回路の設定と換気量,麻酔深度を設定してきた.左肺に抗がん剤を移植した後の左肺全摘を考えており,できるだけマウスに負担をかけない肺門処理(肺動静脈,気管支)を新たに再確認してきた。麻酔は安定化し、肺門処理にもう少し工夫を加える段階である。同所移植の手技と細胞調整に改善が必要で、肺内での細胞の増殖が不安定な状態であり,安定した移植において的確なモデル作りを続行している。
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今後の研究の推進方策 |
6週齢のSCIDマウスに肺癌細胞株を投与し同所性移植モデルを作製する.2週後に抗癌剤を投与する.A,B,Cの各々の群は4週後,または8週後に犠牲死させ,各種サンプルを採取する.[A群]抗癌剤投与群 [A-1群]抗癌剤投与4週後で犠牲死させサンプルを採取する群 [A-2群]抗癌剤投与し8週後まで観察する群(長期観察群)[B群]抗癌剤投与後,4週後に手術を施行する群 [C群]手術のみの群(抗癌剤投与なし)における組織学的免疫環境と予後を比較検討する.採取するサンプルは癌部,非癌部の肺組織(-80°C凍結とホルマリン固定),右肺組織.画像所見は蛍光顕微鏡画像解析機器を用いて再現性を得る.各々,微小環境や肺組織を免疫染色にて,その細胞環境を確認する.血漿と各々の肺組織の凍結標本 (ホモジェナイズ施行)はMultiplexパネルを用いてサイトカインの解析を施行する。上記の予定を立てている。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験回数が予定より少なく,SKIDマウスの購入や抗がん剤の購入が少なかった為。翌年度分として請求した研究費と合わせて,SKIDマウス,抗がん剤,CT撮影,マウス飼育料,酸素ガスや試薬購入などに使用する予定である。
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