研究課題/領域番号 |
19K09308
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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研究分担者 |
張 性洙 香川大学, 医学部, 助教 (00419508)
横田 直哉 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10636492)
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺気腫 / 再生医療 / 線維芽細胞増殖因子 |
研究実績の概要 |
背景:我々は過去に動物実験でFibroblast growth factor family(FGF)の一種であるBasic FGF(bFGF)を徐放するゼラチンビーズを肺気腫モデル犬の肺動脈末梢に塞栓させることにより微小血管の増生・肺胞構造の再生・酸素化の改善を証明した。しかし、循環動態悪化の可能性がある肺動脈へのビーズ塞栓を臨床応用することは倫理・安全性の問題から困難であり新たな投与方法が必要と考えた。臓側胸膜直下には豊富なリンパ網が発達しているため臓側胸膜にbFGF徐放シートを貼付することで血管新生を誘導して、肺胞構造の再生が得られるのではないかという仮説を立て本研究に至った。 方法:15頭のビーグルを用意した。5頭に左下葉切除を行いnormal groupとした。 10頭にエラスターゼを両下葉に気管支鏡下投与する方法で、両下葉肺気腫モデル犬を作成した。エラスターゼ投与4週間後に10頭の内、5頭に左小開胸を行いbFGF徐放ゼラチンシートを臓側胸膜に貼付してbFGF+ groupとした。残りの肺気腫モデル犬5頭には生理食塩水を含有したゼラチンシートを貼付しbFGF- groupとした。シート貼付後4週間で貼付した左下葉を摘出した。右下葉も同時に摘出してemphysema groupとした。肺気腫の評価は平均肺胞径(Mean liner intercept)を用いて比較した。微小血管の増生は第八因子による免疫染色を用いて単位面積あたりの血管総数を比較した。 結果:MLIはEmphysema群がNormal群より有意に高値でありエラスターゼにより肺気腫が完成された。bFGF+群がbFGF-群と比較して有意に低値であり肺胞構造の再生を証明した。単位面積あたりの微小血管数はbFGF+群とbFGF-群に有意な差は認めなかったが、bFGF+群と肺気腫群を比較すると有意な血管増生を認めた。
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