研究成果の概要 |
微小乳頭状を呈する肺腺癌(Micropapillary lung adenocarcinoma:MPA)は,転移しやすく予後不良である.そのメカニズムを解明するために,申請者らが樹立したMPAの原発巣組織に由来する細胞株(KU-Lu-MPPt3)を用いて,分子学的特徴の解析を行った.その結果, MPAにおける癌の転移・浸潤に係る候補遺伝子をいくつか挙げることが出来,その中から細胞接着に関与する分子について,その阻害薬がMPAに対する新たな治療戦略となる可能性があることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでMPAに係る研究は臨床情報や病理検体を用いることでしか成し得なかったが,我々が樹立した細胞株 (KU-Lu-MPPt3)を用いることで,MPAの分子レベルでの解析が可能となった.MPAの組織学的特徴とKU-Lu-MPPt3細胞株の特徴の類似点から,微小乳頭成分と予後不良の因果関係を探求することで,MPAに対する新規治療法開発にも貢献できる可能性が高く,社会的貢献度が高い.
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