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2019 年度 実施状況報告書

肺癌術後再発の克服を目指した網羅的遺伝子発現解析と再発予測アルゴリズムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K09313
研究機関東京医科大学

研究代表者

工藤 勇人  東京医科大学, 医学部, 助教 (80623800)

研究分担者 松林 純  東京医科大学, 医学部, 教授 (00338790)
池田 徳彦  東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70246205)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード肺癌再発 / 微小転移 / EGFR遺伝子変異
研究実績の概要

本研究は、予後不良な悪性疾患の一つである肺癌について、微小転移メカニズムに着目し、外科的切除術後の再発リスクの評価・予測することを目指している。肺癌が予後不良である因子の一つとして、他癌に比べて早期肺癌における再発率の高さがあげられる。術後再発を来すと、多くの症例で根治することは難しいのが現状である。すなわち、術後再発を制御することは、外科的切除術の恩恵を最大限に発揮でき、外科的切除術により根治につながるものとなりうる。我々は、肺癌原発巣に存在している微小転移のポテンシャルを有する細胞の遺伝子異常に着目し、早期に術後再発を同定するために、臨床検体を用いた下記の研究を進めている。
本年度は以下の①、②を中心に研究を実施した。①非小細胞肺癌と病理学的に診断された肺癌切除例を対象として、EGFR遺伝子変異をはじめとして術後再発の検討を行った。1年以内の早期再発は、EGFR遺伝子変異陽性肺癌再発例の30.1%であり、一方でEGFR遺伝子変異野生型肺癌再発例では46.4%と有意な違いを認めた(p<0.05)。②さらに、肺癌症例の血液検体を用いた血漿EGFR遺伝子変異の検出について検討を行った。EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌を対象に、複数回の血漿EGFR遺伝子変異検査を実施した症例を解析した。初回血漿検査において原発巣と同一の遺伝子変異を認めたのは42%であり、複数回の血漿検査では9例が追加で同定され、57%で同一の遺伝子変異を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

サンプルの選別にやや時間を要しているが、当初計画していた想定範囲内である。適切なサンプルを抽出し、高いクオリティーコントロールをすることにより、無駄のない確実な解析に進めることができると考えており、十分に検討の上、研究を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

対象症例を決定の後、肺癌原発巣と転移巣の外科的切除された検体のFFPE標本を用いて、病理学的評価の後、DNA、RNAの抽出を行う。抽出したDNAは、次世代シーケンサーを用いてアンプリコンシーケンスを行い、遺伝子変異の評価を行う予定である。RNAは、一定のQC基準を満たすサンプルを用いて、遺伝子発現解析を実施する。
さらに、血漿サンプルを用いてcfDNAの抽出の後、ddPCRによる遺伝子変異解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度の研究状況から、試薬や物品、免疫組織学的染色等の費用や、情報発信のための学会活動や論文報告の費用を、次年度に使用する予定となったことが理由である。無駄のないように研究費の有効活用するために、次年度の予算と合わせて研究費を使用して研究を実施してく予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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