研究課題/領域番号 |
19K09317
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸田 法子 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50375052)
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研究分担者 |
佐藤 岳哉 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10312696)
斎藤 将樹 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50400271)
野村 亮介 東北大学, 大学病院, 助教 (90400358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 全身麻酔薬 / オートファジー / 加齢 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
長時間手術・集中治療管理における全身麻酔薬・鎮静薬の使用はサルコペニア患者に周術期合併症増加や予後悪化をもたらすが、その機序は不明な点が多く残さ れている。申請者はサルコペニア病態における全身麻酔薬の影響についてオートファジーの分子機構解析から解明することを目的とし本研究に着手した。 オート ファジーは、飢餓応答時に生体内高分子を分解し、再構成することで、細胞の生存を維持する仕組みであることが知られている。さらに、細胞内に蓄積する毒性高分子(変性タンパク質)などを分解することで細胞内恒常性を維持するために必須のプロセスである。 全身麻酔薬が診療において有用であるが、一方酸化ストレス亢進をもたらすことにより、オートファジー不全をもたらし、障害を誘発すると考えられている。 本年度は、サルコペニアモデルとして用いるマウス横紋筋由来C2C12細胞に対して各種薬物処理を行 い、細胞生存率の変化について検討を行った。 その結果、H2O2あるいはPS処理を行うと、用量依存的に細胞生存率が低下することを2種類の定量法により確認した。デキサメタゾーン処理もC2C12の細胞生存率 を低下させると論文には報告されているが、今回の検討においてはデキサメタゾーン処理による細胞生存率の低下は観察されなかった。LPS処理と同時にオート ファジーを誘導する薬物で処理すると、LPS処理により低下した細胞生存率が有意に回復することが観察された。このことより、LPSはC2C12に対してオートファ ジー不全をおこしていること、さらにオートファジーを回復させることが細胞の生存に重要であるということを見出すことが出来た。 さらにオートファジー誘導がおきていることも確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、初頭に細胞培養に使用する機器に故障した。 また、修理対応に時間がかかり、修復に時間を要した。 そのために計画した研究を遂行することが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
全身麻酔薬によるオートファジー障害について、定量的な解析を進める。 サルコペニアと関連する細胞の加齢的なオートファジー変化について 検討を進めるとともに、本研究課題で見出した知見を論文としてまとめることをおこなう
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、研究に使用する細胞培養装置に故障が生じたために計画した研究遂行に支障が生じた。 現在は、研究遂行に支障が無い状態に復帰しているので、次年度は予定通りの研究を遂行する。 さらに本研究で得られた知見について論文として取りまとめる
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