研究課題/領域番号 |
19K09329
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
徳丸 治 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (40360151)
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研究分担者 |
北野 敬明 大分大学, 医学部, 教授 (20211196)
松本 重清 大分大学, 医学部, 准教授 (90274761)
江島 伸興 京都大学, 高大接続・入試センター, 特定教授 (20203630)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レミフェンタニル / 抗酸化作用 / フリーラジカル / ラジカル消去作用 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症の広がりに伴う混乱と価格の急騰のため,令和3年度にようやく入手できたレミフェンタニルの原末を用いた実験を実施した。まず,レミフェンタニルの直接的フリーラジカル消去作用の評価を行い,各フリータジカルに対する50%阻害濃度(IC50)を算出した。レミフェンタニルは,濃度依存的に以下のフリーラジカルを直接消去した;ヒドロキシルラジカル(IC50 0.089 mM),tert-butoxyl radical(3.1 mM),アスコルビン酸ラジカル(0.36 mM),一重項酸素(0.13 mM),一酸化窒素(14 mM)。しかし,スーパーオキサイドアニオン,tert-ブチルペルオキシルラジカル,DPPH(安定な人工ラジカル),チロシルラジカルに対する消去作用は認められなかった。また,TBARSアッセイによりマウス脳組織の脂質過酸化に対する抑制が認められた。レミフェンタニルの抗酸化作用の機序への直接的なフリーラジカル消去作用の関与が示された。このことより,周術期におけるレミフェンタニルの使用は,鎮痛作用だけでなく酸化ストレスに対する予防効果も期待されることが示唆された。 これらの結果を,令和4年11月に日本薬理学会にてポスター発表し,専門家との意見交換を行なった。本課題の研究期間を終えた後にはなるが,学会での質疑応答での指摘や助言,意見を踏まえて,早急に英文論文にまとめて,国際専門雑誌に投稿する予定である。
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