現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①様々な時刻にSCN, CP-LV, CP-4V, PGを培養して、それぞれの組織におけるルシフェラーゼ発光の位相を比較した。すべての組織で培養の調整時刻に依存して位相変化が認められたことから、培養操作がそれぞれの組織で同調因子として働くことが明らかとなった。4種類の組織の中ではSCNが培養時刻による位相の変化が小さく、培養操作に対して概日リズムの位相は安定であった。 ②様々な時刻にPer2::Lucトランスジェニックラットに麻酔処理(6時間)を行い、直後に4種類の組織について培養した。それぞれの発行リズムの位相を①の結果と比較した。SCNはいずれの時刻においても麻酔による位相変化は認められなかった。SCNは麻酔による攪乱から麻酔解除後SCN組織だけで元の位相に回復したことを示す。一方、CP-LV, CP-4V, PGに関しては麻酔処理-培養操作した時刻によっては、麻酔無しの培養と比べて位相変化をしめした。この位相変化は麻酔後1日の回復時間を置いて培養することによって消失した。CP-LV, CP-4V, PGにおける麻酔による位相変化は他の組織からの働きかけにより修正されることが示唆される。 ③ルシフェラーゼ発光の第一ピーク値に注目するとSCNでは麻酔処理により低下するが、1日の回復時間をおいてから培養すると第一ピーク値の回復が認められた。一方、CP-LV, CP-4V, PGに関しては30日の回復時間をおいても第一ピーク値の回復が認められなかった。末梢組織においては麻酔処理により影響が長期間残ることが明らかとなった。以上の結果を論文発表すべく準備している。
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