研究課題
近年の食生活の欧米化、人口の高齢化および生活習慣病の増加は、本邦における心血管リスクを急激に増加させている。虚血性心疾患やリスクを有する患者の心合併症発生予防とその治療は患者予後にとって重要な因子となっている。我々の研究グループは吸入麻酔薬によって細胞膜カベオラ数が増加し、カベオリンを介した心筋保護作用が活性化されることを突き止め、細胞膜マイクロドメインであるカベオラおよびカベオリン-3が心筋保護作用に重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。さらに、虚血再潅流障害時にはミトコンドリアにおけるMitochondrial Permeability Transition Pore (mPTP)の開口が起こり細胞死へと繋がるとされており、虚血再潅流障害時にmPTPの開口を抑制することが心筋保護作用の発現に重要であることが明らかになってきた。しかし、細胞膜マイクロドメインを介した吸入麻酔薬の心筋保護作用に対してミトコンドリア機能調節がどのように作用するかは明らかではない。2021年度はミトコンドリア融合に関与するOpa-1の影響を明らかにするため、Opa-1をノックダウンした細胞を用いて実験を行った。ミトコンドリア融合に関与するOpa-1の影響を明らかにするため、Opa-1 siRNAを電気穿孔法にて細胞に注入、トランスフェクションさせた細胞を用い、コントロール群、吸入麻酔薬群、各群の心筋保護作用が棄却するかを調べた。その結果、吸入麻酔薬は心筋保護作用があり、それらの作用にOpa-1が重要な役割を演じていることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Nutr Metab Cardiovasc Dis
巻: 31 ページ: 2979-2986
10.1016/j.numecd.2021.06.025.
Diabetol Metab Syndr
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