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2019 年度 実施状況報告書

ヒドロキシエチルデンプンによるグリコカリックス崩壊に対する血管収縮薬の軽減効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K09363
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

多田羅 恒雄  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30207039)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードヒアルロン酸 / ヒドロキシエチルスターチ / 分配係数
研究実績の概要

【ヒドロキシエチルスターチ(HES)製剤がヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数におよぼす影響】
<方法>分子量130,000のHES製剤が、ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数におよぼす影響を測定した。リン酸緩衝液(PBS)に溶解した0.1%, 0.3%, 0.5% ヒアルロン酸溶液を透析セル内に留置し、サンプル側にPBSまたは2% HES溶液に溶解したFITCによりラベルしたアルブミン溶液を注入することにより、アルブミンをヒアルロン酸溶液へ分配させた。分光光度計を用いて波長494 nmでのサンプル溶液およびヒアルロン酸溶液中のアルブミンの濃度を測定し、その比を計算することにより、ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数を求めた。測定は、37°Cにて行った。
<結果>1. サンプル液がPBSの時の0.1%, 0.3%, 0.5% ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数は、それぞれ、0.97±0.09、0.79±0.05、0.74±0.04 (mean±SD、n=4)であった。 2. サンプル液が2%HES溶液であった時の0.1%, 0.3%, 0.5% ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数は、それぞれ、1.05±0.04、0.90±0.06、0.78±0.03 (mean±SD、n=4)であった。
<考察> 1. ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数は、ヒアルロン酸の濃度が上昇するにしたがって低下した。この結果は、ヒアルロン酸のゲル状構造が、アルブミンの分配を抑制することを示す。 2. HESは、ヒアルロン酸溶液へのアルブミン分配係数を増加させた。これは、HESがヒアルロン酸のゲル状構造を弱めることを示唆している。この所見は、生体においてヒドロキシエチルスターチが血管内皮細胞表面のゲル構造に及ぼす影響を考える上で重要な手がかりとなる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していたヒドロキシエチルデンプン製剤がアルブミンのヒアルロン酸溶液への分配係数におよぼす影響を求めることができた。

今後の研究の推進方策

今後、ヒドロキシエチルデンプン製剤がヒアルロン酸溶液の水透過性におよぼす影響を調べる予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験結果を得るのに必要な測定サンプル数が当初の予想より少なかったため、若干の次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、次年度の消耗品(試薬など)の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Complex effects of continuous vasopressor infusion on fluid responsiveness during liver resection. A randomised controlled trial.2019

    • 著者名/発表者名
      Nakamoto S, Tatara T, Okamoto T, Hirose M.
    • 雑誌名

      European Journal of Anaesthesiology

      巻: 36 ページ: 667-675

    • DOI

      10.1097/EJA.0000000000001046

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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