研究課題/領域番号 |
19K09367
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹羽 英智 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20374845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | natural killer cells / 癌切除術 |
研究実績の概要 |
本年度は、麻酔補助薬であるケタミンが、癌患者の全身麻酔に適しているか、どうかを明らかにするために、同麻酔薬のnatural killre 細胞活性(NKCC)への影響を調査した。ロボット支援下前立腺切除を受けた患者(N=67)と肺切除を受けた患者(N=50)を対象に臨床試験を実施した。 試験デザイン:無作為対象研究 介入:ケタミン投与 主要評価項目:麻酔導入から4時間後、24時間後のNKCC、副次評価項目:各種インターロイキンを測定した。 結果:ケタミン投与群と非投与群のNKCCは、術前と比べ同程度に抑制され、2群に有意な差を認めなかった。考察:多くの麻酔薬が術中~術後のNKCCを抑制してしまう中、ケタミンは、NKCCに影響を与えないことが示唆された。ケタミンには、術中覚醒の危険性を減少させ、全身麻酔薬の質を高めるなど、その投与には、多くの利点がある。また、多くの麻酔薬がNKCCを抑制し、癌切除を受ける患者の予後に不利に作用する一方で、今回の研究ではNKCCに影響を与えない(下げない)ことが示唆された。これらのことから、ケタミンは癌切除を受ける患者のための全身麻酔薬に適していると思われた。
また、年度の後半には、最適な鎮痛薬(オピオイド)のNKCCへの影響を調査し始めた。研究デザインは、培養NK細胞を使った基礎試験で測定項目はNKCCである。培養NK細胞をJCRB細胞バンクより購入し、培養を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究では、採取した血液からクロミニウム測定法でNKCCを測定できていたが、培養細胞だと、細胞数など、細かい調整が必要となり、現在のところ、上手くNKCCが測定できていない。今後、NKCC測定法の再検討を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
NKCC測定法は、最も古典的な測定法である、クロミニウム測定法を採用してきたが、培養細胞の場合、上手く測定できないことあるため、他の測定法(例えばLDH測定法など)の採用も検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
培養細胞を用いて、レミフェンタニルのNK細胞活性への影響に関する実験を行う。また、ケタミンのNK細胞活性への影響についてもin vitroのデータを追加していく予定。
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