研究課題/領域番号 |
19K09367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹羽 英智 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (20374845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | natural killer cell / 抗癌免疫 / レミフェンタニル / オピオイド / 癌手術 |
研究成果の概要 |
Natural killer (以下NK) 細胞は、生体に備わっている抗癌免疫細胞の一つである。癌切除手術後のNK細胞活性(NKCC)を維持することが、術後の転移、再発を減らし、患者の予後を改善する可能性がある。レミフェンタニルは、その強力な鎮痛作用により、外科的侵襲ストレスを最小限に抑えることから術後のNKCCを維持する可能性があるが、同薬がNK細胞活性にどのような影響を与えるのかは不明であり、本研究の目的は、これを明らかにすることであった。今回、我々は、KHYG1ヒトNK細胞株を用いた実験系を確立し、レミフェンタニルも他のオピオイド同様、濃度依存性にNKCCを抑制することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
臨床麻酔
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レミフェンタニルは、癌手術における標準的な鎮痛薬であり、日本の外科手術において最も使用頻度が高い麻薬鎮痛薬であるが、その抗癌免疫であるNatural killer cell活性(NKCC)への影響についての研究データは、基礎研究レベルから不足している。今回、我々はヒトNK細胞株を用いた基礎研究モデルを確立し、レミフェンタニルがNKCCを用量依存性に抑制することを明らかにした。生来のヒトNK細胞は、培養が難しく、多くの実験を行えないことが問題だったが、今回、培養が容易なヒトNK細胞株を使用してこの問題を解決した。このことは、今後、さらに詳細な基礎実験を行う上での利点となる。
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