現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度と同様に、本報告書執筆時点で本邦におけるコロナウイルスのパンデミックにより緊急事態宣言下にあり、通常の診療と研究活動に影響が出ており、それは本研究対象疾患と患者も例外ではない。しかし、新たな行動様式と共に研究を推進することができて、症例集積を進めることが出来た。 同時並行して進めていた研究である、医療関係者の共感表出に関わる神経基盤をVBMと安静時fMRIにおいて調査し、報酬系と外側前頭領域の間の機能的結合の減弱が見られることを見出したことについては、論文として発表するに至った。Ogino Y, Kawamichi H, Kakeda T, Saito S. Exploring the Neural Correlates in Adopting a Realistic View: A Neural Structural and Functional Connectivity Study With Female Nurses. Front Hum Neurosci. 2019; 13: 197. また、2014年より脳可塑性と運動生理の共同研究として高度な運動選手の減量効果と鍛錬、その感覚系機能強化の神経基盤を探る研究を開始した。痛みと減量の先行研究 (Ogino et al. Anesth Analg. 2014) を基に、感覚統合を担う島皮質領域と、辺縁系の中核的領域である線条体に構造変化を惹起し、前頭野を中心とした広範領域に機能的結合性を認めた上に、体重変化率により強調されることが分かったことについては、プロボクサーの試合前後における脳密度変化と脳ネット ワーク解析:スポーツ脳科学研究 デサントスポーツ科学 2019. Vol. 40. p189-195.とOgino Y, Kawamichi H, Takizawa D, Sugawara SK, Hamano YH, Fukunaga M, Toyoda K, Watanabe Y, Abe O, Sadato N, Saito S, Furui S. Enhanced structural connectivity within the motor loop in professional boxers prior to a match. Sci Rep. 2021; 11: 9015. doi: 10.1038/s41598-021-88368-4. PMID: 33907206. として公表済み。
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