実験動物をマウスにして研究を遂行した。 研究方法:マウスを、前後処置を行わないコントロール群、低酸素プレコンディショニング群、リモートポストコンディショニング群、低酸素プレコンディショニングとリモートポストコンディショニングの併用群に振り分けた。低酸素プレコンディショニングは、脳梗塞作製48時間前に酸素濃度 8%のボックス内にマウスを4時間入れることで作成した。リモートポストコンディショニングは、脳梗塞作成後に両側下肢をゴムバンドで結紮し、10分間駆血・10分間解除を3セット繰り返すことで作成した。各々の群で、中大脳動脈を遮断して脳梗塞を作成し、そのサイズを検討した。また、コントロール群、低酸素プレコンディショニング+リモートポストコンディショニング併用群において、脳梗塞巣サンプルを用いて、Quantitative real-time PCR施行し、インターロイキン(IL)-6やIL-1βなどの炎症性サイトカインのmRNAの発現量を定量解析し、比較検討を行った。 結果:脳梗塞サイズは、コントロール群と比較して、低酸素プレコンディショニング群、リモートポストコンディショニング群、低酸素プレコンディショニング+リモートポストコンディショニング併用群ともに有意に脳梗塞巣サイズは小さかった。Quantitative real-time PCRでは、IL-6とIL-1βのmRNAの発現量は、低酸素プレコンディショニング+リモートポストコンディショニングを併用群で、コントロール群と比較して、有意に発現量が少なかった。
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