本研究の目的は、全身麻酔中の人工呼吸による二酸化炭素(CO2)の管理と術後せん妄の発生の関連を明らかにすることである。当院で全身麻酔下に手術を受け、術後ICUに入室した成人患者さん2,695名のデータを解析したところ、術後せん妄は9.6%で発生し、術中の呼気中CO2分圧(ETCO2)が35mmHgを下回る低CO2血症の発生と術後せん妄の発生に関連があることが分かった。この結果を受けて、術中の低CO2血症発生予防のためにETCO2の目標値を高めに設定するプロトコールを導入することで、術後せん妄の発生を予防することが出来るかを検証する研究に着手している。
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