研究課題/領域番号 |
19K09379
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
柴崎 雅志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20405319)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 神経障害性疼痛 / 後根神経節 / コンパートメントカルチャー / 一次知覚神経 |
研究実績の概要 |
Campenot chamberを用いたin vitro神経障害性疼痛モデルにより、2つの軸索コンパートメントのうち、一方の軸索コンパートメントの軸索を傷害させることにより、他方の軸索コンパートメントにおいて発現量の変化するタンパク質を検出することが研究の目的であった。しかしながら、これまでの調査によりSDS-PAGEを行っても特異的なバンドは認められなかった。SDS-PAGEによる特異的なバンドが検出できれば、脊髄を用いた免疫組織染色および脾臓由来単球系細胞を用いた化学遊走能を調査することにより神経障害性疼痛に関与するタンパク質を同定する予定であった。 そこで文献的調査により標的タンパク質を予め決め、脾臓細胞から磁気細胞選別により抽出したCD11b陽性細胞を用いた化学遊走能を調査することで神経障害性疼痛に関与する可能性のある標的タンパク質を絞る研究を実施することにした。 1. 脾臓由来細胞のうち、CD11b陽性細胞がどの程度存在するかを脾臓由来細胞を培養し、免疫細胞染色により調査する。2. 次に脾臓由来細胞を磁気細胞選別によりCD11b陽性細胞のみを抽出する。3. 抽出したCD11b陽性細胞を用い、予め文献的に調査した標的タンパク質を用いた化学遊走能を評価する。4. 化学遊走能の評価に基づき、神経障害性疼痛に関与する可能性のあるタンパク質をマウスに投与し、疼痛閾値の評価を行う。5. 神経障害性疼痛に関与する可能性のあるタンパク質を薬理学的に中和することによる疼痛閾値の評価を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マウス脾臓細胞の培養およびそれらを用いた磁気細胞選別によるCD11b陽性細胞の抽出には成功しているものの、培養細胞を用いた安定した免疫染色の結果が得られるよう免疫染色の条件を最適化しているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
培養細胞を用いた安定した免疫染色の結果が得られるよう免疫染色の条件を最適化し、安定した脾臓由来CD11b陽性細胞を確保し、それらを用いて予め文献的に調査した標的タンパク質の候補であるATPやCCL2, CCL3, CXCL12, CCL5などを用いて化学遊走能を調査する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験の計画書に沿って立案し、研究を遂行したが、SDS-PAGEを用いた方法で十分量のタンパク質を検出できなかったため、神経障害性疼痛に関与する可能性のあるタンパク質を予め決定し、脾臓由来CD11b陽性細胞を用いた化学遊走能を調査するという研究計画の方向性を変更する必要性を認めたため。
|