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2022 年度 実績報告書

グリコカリックスの敗血症重症化における基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K09391
研究機関浜松医科大学

研究代表者

八木原 正浩  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (60581840)

研究分担者 御室 総一郎  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90464114)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードグリコかリックス / ヒアルロン酸
研究実績の概要

敗血症性ショックは周術期・集中治療領域で救命率の向上が望まれる重大な病態である。近年は日本版敗血症診療ガイドラインが策定され、速やかな診断・治療が試みられることで救命率が改善してきているが、全てを適切に講じた場合でも不幸な転機をたどることが少なくない。また治療法としては抗生剤投与、循環管理、原因除去が主な手段とされている。
近年、敗血症により血管内皮グリコカリックスが損傷を受けることが注目されている。グリコカリックスは血管内皮に存在する多糖類で、血管透過性を制御する役割を担う。このため、これまでは輸液反応性や血管内の抗凝固といった観点で研究されてきた。しかしグリコカリックスが損傷すると上昇するマーカーであるシンデカン-1は、敗血症の生存率と相関することが知られたことから(Shock 2008)、敗血症においてもグリコカリックスが関与しているのではないかと考えられている。そこで我々は敗血症の原因がグリコカリックス損傷にあるわけではないが、グリコカリックス損傷の程度は敗血症の重症化に関与しているのではないかという仮説を立てた。グリコかリックスが血管透過性を亢進し重症化に関与していることは分かったが、ヒアルロン酸投与が生存率改善には有効性がひくいことがわかり、グリコかリックス層の構成成分であるヒアルロン酸の投与をLPSによる敗血症モデル、類似のの熱中症モデル、出血性ショックモデルに投与した。最終的に我々の検証した投与量の範囲においては生存率はどちらのモデルでも改善していないことが分かった。また、その際の臓器ごとの血清バイオマーカー、グリコカリックス損傷を示すシンデカン1の変化はヒアルロン酸、デルマタン硫酸を投与しても差がでなかった。それにより、高度の炎症下におけるヒアルロン酸の投与は今回の研究においては有効性を認めなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dexmedetomidine suppresses serum syndecan-1 elevation and improves survival in a rat hemorrhagic shock model2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Atsushi、Mimuro Soichiro、Katoh Takasumi、Kobayashi Kensuke、Sato Tsunehisa、Kien Truong Sang、Nakajima Yoshiki
    • 雑誌名

      Experimental Animals

      巻: 71 ページ: 281~287

    • DOI

      10.1538/expanim.21-0186

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] デクスメデトミジンはラット出血性ショックモデルにおいて血管内皮グリコカリックス損傷を軽減し生存率を改善する2022

    • 著者名/発表者名
      小林充,御室総一郎,加藤孝澄,小林賢輔,佐藤恒久,中島芳樹
    • 学会等名
      日本麻酔科学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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