研究課題
敗血症は微生物感染に起因する全身性炎症反応症候群であり多臓器機能不全障害を誘発する。全身組織学的炎症性疾患の誘導もしくは制御における樹状細胞(dendritic cells;DCs)が免疫反応の過剰もしくは不全を操るとも言えるほど重要な抗原提示機能を発揮するのが予想されている。我々は、敗血症で全身系組織の脾臓(spleen;SP)組織の樹状細胞と局所系、特に腸管粘膜組織の腸間膜リンパ節(mesenteric lymph nodes;MLN)の樹状細胞の免疫反応調節機能を、盲腸結紮穿刺(cecal ligation and puncture;CLP)の敗血症モデルで調べた。SPとMLN の樹状細胞がアロジェニックCD4 T細胞の増幅や活性化への異なる効果が確認され、T細胞活性化誘導において炎症免疫学的に異なる役割を果たすのが提案された(Darkwah et al. 2019 Biomedicines)。一方、敗血症において腸管上皮から腸管内腔に分泌されるエキソソームの機能を調べるために、私たちは、敗血症のCLPマウスモデルの腸管内腔洗浄液から超遠心分離で回収した。その結果、腸管上皮由来のエキソソームが炎症性腸疾患マウスのTNF-alphaとIL-17Aの発現を抑制可能性を示した。さらに、エキソソームの機能性カーゴでもあるマイクロRNA(miRNAs)のプロファイルを分析して、TNF-alphaと IL-17Aの発現制御を担うと予想されたmiRNA候補群のなかから、RT-PCRの方法で発現増加が確認された複数のmiRNAを同定し、炎症性サイトカイン分子の発現を抑制する機能を発揮する可能性を示唆した(Appiah et al. 2020 International Journal of Molecular Sciences)。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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