研究課題/領域番号 |
19K09410
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土井 智章 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00444307)
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研究分担者 |
福田 哲也 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00839201)
岡田 英志 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (30402176)
竹村 元三 朝日大学, 歯学部, 教授 (40283311) [辞退]
宮崎 渚 朝日大学, 歯学部, 准教授 (50550141)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エンドトキシン吸着 / 血管内皮障害 |
研究実績の概要 |
細菌がつくる毒素エンドトキシンが体内に入ると、多核白血球やマクロファージを介して種々の炎症性メディエーターが産生され、発熱・血圧低下などの敗血症性ショックをきたす。このようなショック状態が長引くと、種々の臓器がダメージを受け生命の維持が困難となる。近年、エンドトキシンのリピドAが結合してエンドトキシンを中和し毒素を弱める作用のあるポリミキシンBの作用を利用して、ポリスチレン系不溶性不織布にポリミキシンBを科学的に固定してカラムを用いたエンドトキシン吸着療法がおこなわれている。これにより血中からエンドトキシンを取り除くと、治療途中から劇的に血圧が改善したり、急性肺障害が改善したりすることなどが報告されている。しかし、様々なメディエーターが関与するこれら病態に対してエンドトキシンのみの吸着で効果が得られるとは考えにくく、そのメカニズムはいまだに不明となっている。本研究では、申請者の施設にてエンドトキシン吸着療法を受けた患者に対して、使用後のカラムを回収して電子顕微鏡を用いて超微形態学的に検討を行う。方法は、エンドトキシン吸着療法終了後にカラムを回収して、一部はホルマリンで固定し光学顕微鏡用のサンプルを作成した。また一部はグルタールアルデヒドで固定し、電子顕微鏡用のサンプルを作成した。PMXPMXの前後で血中の白血球、Hb、Ht、CRPは減少していた。光学顕微鏡による観察ではカラムのフィルターに赤血球に加えた数多くの好中球の吸着が認められた。電子顕微鏡による観察でも同様の所見が確認できた。また、血小板の付着による血栓も数多く認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床のサンプル収集に比べて基礎研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
PMX前後の血清を用いて血中の炎症性サイトカインの測定を行い、さらに血管内皮傷害マーカーについても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症パンデミックに伴い、一時的に基礎研究を休止せざるを得なかったため。
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