研究課題
エンドトキシンにより種々の炎症性メディエーターが産生され、発熱・血圧低下などの敗血症性ショック状態が長引くと、種々の臓器がダメージを受け生命の維持が困難となる。近年、エンドトキシンのリピドAが結合してエンドトキシンを中和し毒素を弱める作用のあるポリミキシンBの作用を利用して、ポリスチレン系不溶性不織布にポリミキシンBを科学的に固定してカラムを用いたエンドトキシン吸着療法がおこなわれている。これにより血中からエンドトキシンを取り除くと、治療途中から劇的に血圧が改善したり、急性肺障害が改善したりすることなどが報告されている。しかし、様々なメディエーターが関与するこれら病態に対してエンドトキシンのみの吸着で効果が得られるとは考えにくく、そのメカニズムはいまだに不明となっている。本研究では、申請者の施設にてエンドトキシン吸着療法を受けた患者に対して、使用後のカラムを回収して電子顕微鏡を用いて超微形態学的に検討を行う。方法は、エンドトキシン吸着療法終了後にカラムを回収して、一部はホルマリンで固定し光学顕微鏡用のサンプルを作成した。また一部はグルタールアルデヒドで固定し、電子顕微鏡用のサンプルを作成した。PMXPMXの前後で血中の白血球、Hb、Ht、CRPは減少してた。光学顕微鏡による観察ではカラムのフィルターに赤血球に加えた数多くの好中球の吸着が認められた。電子顕微鏡による観察でも同様の所見が確認できた。また、血小板の付着による血栓も数多く認められた。マウスにリポ多糖を投与し血管炎を誘発し、LPS投与6、12、24、48時間後にマウスをSacrificeして採血を行い超遠心にてExosome Fraction、Microvesicle、上清に分離してqNanoを用いて粒子の大きさを計測したところMicrovesicleより大きいサイズの1重膜の構造物が分離できた。
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