研究課題/領域番号 |
19K09416
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青景 聡之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30822358)
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研究分担者 |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40648169)
大澤 郁朗 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (30343586)
宮原 信明 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 水素 / ブレオマイシンモデル / 急性肺障害 / 急性呼吸促迫症候群 |
研究実績の概要 |
実験3:間質性肺炎モデルに対する水素ガス投与21日後の呼吸生理学評価。ブレオマイシン気管内投与後、21日間3.2% 水素を投与し、線維化期の呼吸生理学評価を行った。肺胞コンプライアンス(ml/cmH2O)は、コントロール(C)群0.069 ±0.003、水素投与なし(A)群0.039±0.010、水素投与あり(H)群0.052±0.009であり、水素ガス投与により、慢性期の肺胞コンプライアンスの低下を抑制した(p=0.009)。 実験4:間質性肺炎モデルに対する水素ガス投与による肺内IL-6、IL-4、IL-13値と、M2マクロファージ数の評価。炎症性サイトカインのmRNAレベルをブレオマイシン投与7日後に評価した。IL-6、IL-4、IL-13は、H群がA群よりも有意に低かった。H群の肺胞間質に存在するM2マクロファージは、A群に比べて有意に少なかった(3.1%[95%CI:1.6%~4.5%]対1.1%[95%CI:0.3%~1.8%]、p=0.008)。 実験1-4より、水素吸入により、間質性肺炎より21日後の肺線維化抑制、肺生理機能の温存が認められ、その効果は、2型サイトカイン(IL-4、IL13)の発現抑制と、M2マクロファージの分化抑制が関与していることが示唆された。 上記の研究結果は、第48回日本救急医学会総会(2020/11/18-21)にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、2020年度までに動物実験は終了した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は学術雑誌への投稿を行う。本研究結果をふまえ、臨床研究の準備にとりかかる。具体的には、2021年度より「急性大動脈解離Stanford B型患者に起こる肺酸素化障害に対する水素ガス吸入の安全性試験」(jRCTs031200342)を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:学会出張費が、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインとなり、出張費が不要となったため。使用計画:同額は、(現在投稿中の)学術雑誌の投稿費用が研究費の当初の見積もりより高額であるため、その投稿費用にあてる予定である。
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