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2019 年度 実施状況報告書

重症患者の回復期のせん妄・睡眠障害・対光反射と短期ADLとの関連

研究課題

研究課題/領域番号 19K09418
研究機関山口大学

研究代表者

鶴田 良介  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30263768)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードせん妄 / 睡眠 / 対光反射 / ADL / SF-36
研究実績の概要

ICUを退室する直前の回復期の患者において、脳内アセチルコリンの低下の指標としての対光反射のいくつかの指標、アクチグラフィを用いた睡眠解析、そしてせん妄の有無の3つを総合的に解析し、重症患者の回復期(ICU退室90日後)の認知機能を多角的に分析することを目的とした。
本研究はICU患者を対象とした臨床研究であり、「山口大学医学部附属病院治験及び人を対象とする医学系研究等倫理審査委員会」で2019年8月28日に承認された(H2019-054)。被検者または代諾者に書面と口頭で十分な説明を行い、同意を得てから実施している。[除外基準]意識レベルの回復が見込めない患者(蘇生後脳症,脳幹出血など)、入室以前に認知症、精神発達遅滞、神経筋疾患、精神疾患を有していた患者 。脳神経外科患者。その他,担当医が不適切と判断した患者。
ICUに5日以上滞在した成人患者を対象とし、退室1~2日前に患者あるいは代諾者から書面で同意を取得し、アクチグラフィを装着(加速度計:アコード社製、解析ソフトウエア:キッセイコムテック社製、ともに新規購入)し、また、瞳孔記録計(NPi-200,アイ・エム・アイ株式会社、新規購入)で対光反射のパラメータを記録する。せん妄評価については看護師がルーチンに行っている(患者のその日の担当看護師 担当)。
研究開始から9か月が経過し、エントリー患者数は25人である。うち15人がICU退室90日を経過し、その15人に対し、SF-36ほか回復期の生活状況アンケートを郵送した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

複数の理由が挙げられるが、まず第1にICU退室1~2日前に患者あるいは代諾者から書面で同意を取得するタイミングを逃しやすい点である。ICUの円滑な運用のためICU退室が予想されるとすぐにベッド調整に入り、院内の一般病棟へ移動し、臨床研究のエントリーの機会を失う点である。2番目に、予想以上に以下の除外基準の患者が多かった点である。意識レベルの回復が見込めない患者(蘇生後脳症,脳幹出血など)、入室以前に認知症、精神発達遅滞、神経筋疾患、精神疾患を有していた患者 。脳神経外科患者。その他,担当医が不適切と判断した患者。3番目に4月以降、COVID-19対応を迫られ、臨床研究に集中できない点があった。

今後の研究の推進方策

毎朝のカンファレンスや回診を通して、患者のICU退室を予見し、主治医と緊密な連携を図り、臨床研究のエントリーの機会を逃さないように工夫する。また機会を見つけては本研究の趣旨を説明し、主治医にあらかじめ臨床研究に適格な患者が存在することを意識してもらうように努める。

次年度使用額が生じた理由

3月開催された日本集中治療医学会学術集会(名古屋)がWeb開催となり、旅費・宿泊費が不要となったことによる。
令和2年度もすでに7月まで開催予定の学会が延期となり、そのための費用を図書費または統計解析ソフト購入に充てることを考えている。さらに参加予定の学会が中止またはWeb開催となるようであれば、研究に使用する機器(アクチグラフィ)の補充に充てるつもりである。

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公開日: 2021-01-27  

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