研究課題/領域番号 |
19K09419
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
黒田 泰弘 香川大学, 医学部, 教授 (80234615)
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研究分担者 |
一二三 亨 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 副医長 (30383756)
坂本 哲也 帝京大学, 医学部, 教授 (40365979)
井上 明彦 香川大学, 医学部, 協力研究員 (60835247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 院外心停止 / ECPR |
研究実績の概要 |
本研究は、院外心停止に対して体外式膜型人工肺を組み合わせた心肺蘇生法(ECPR)が施行された患者を対象としたレジストリを構築し、本邦での診療実態を明らかにする多施設共同研究である。 Web上で電子的にデータを取得するElectronic Data Capture(EDC)システムを構築し、研究参加施設の施設協力者が各施設の対象者それぞれについて診療録を調査し、観察・測定項目のデータをEDCシステムを介して入力しデータを収集した。結果、国内36施設から2157例が登録された。このうち主結果では、推定心原性である1644例を対象として解析した。1644例中、退院時神経学的転帰良好は14.1%、退院時の生存率は27.2%であった。合併症に関しては、カニューレの位置異常は4.9%の患者に認められ、カニューレ不成功は0.7%の患者に生じた。カニューレ刺入部出血は16.4%、その他の出血は8.5%にみられた。全体として、32.7%でECPR中に合併症が認められた。本研究は誌上報告した(Critical Care. 2022 May 9;26(1):129.)。 本研究のようなECPRに特化した大規模なレジストリは世界的にもなく、ECPRに関連する十分な症例数のある研究は、後ろ向き研究を含めても過去にない。世界的にもないECPRに特化した大規模データで、治療成績、合併症の実態を検討することの重要性は大きい。 また、ECPRは日本がリードしている分野であるが、管理指標など課題は多い。そこで、本研究参加施設におけるECPRの調査(Webアンケート)を行い、ECPRに対する集中治療管理など施設間調査を行った。本結果はTherapeutic Hypothermia and Temperature ManagementにPublishされた。
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