研究課題/領域番号 |
19K09421
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
原田 敬介 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00560004)
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研究分担者 |
井上 弘行 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30721568)
文屋 尚史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50721586)
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 敗血症 / 敗血症性心筋症 / VA-ECMO / 非閉塞性腸管虚血症 |
研究実績の概要 |
<平成31年・令和1年度> ラット敗血症性心筋症モデルを使用したVA-ECMOの治療効果、および、ラットNOMIモデルを使用した腸管血流動態の解明を目的とした動物実験を行った。ラットを用いたVA-ECMOモデルの確立については、先行研究である「肝不全を来す組成後腸管症候群の病態解明と治療戦略(16K11413)」の中で達成されている。吸入麻酔導入下に送血ルート、脱血ルートを各々右大腿動脈と右内頚静脈に確保し、血液リザーバー、ローラーポンプ(Masterflex L/S)、小動物用膜型人工肺を用いたVA-ECMO回路の駆動を確認した。 本研究での新規モデルとして、盲腸結紮穿刺(CLP)による敗血症性心筋症モデルラットと、さらにはラットNOMIモデルとして、血管収縮薬(ノルアドレナリン、バソプレッシン)の持続投与を追加したCLP敗血症モデルラットに対しても、上記のVA-ECMO導入・駆動を進める。 また、NOMIを合併したVA-ECMO導入症例の後ろ向きコホート研究として症例集積を行った。2012年から2019年度までのVA-ECMO導入症例は、そのほとんどを院外心停止に対する蘇生(ECPR)としてVA-ECMOを使用していたが、敗血症性心筋症に対しての使用も少数ながら認められた。VA-ECMO導入症例でNOMIを合併した症例についても、臨床経過、使用薬剤、画像所見、治療法の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットを用いたVA-ECMO回路は先行研究で確立しており、体外循環管理に関しては、同様の実験系継続したものであるため、本研究においても導入に問題はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
盲腸結紮穿刺(CLP)ラットによる敗血症性心筋症モデルやラットNOMIモデルはより循環・呼吸状態が不安定となりやすく、これらのモデルに対するVA-ECMO導入・駆動を安定的に遂行するためには、更なる実験継続と改良を要する見込みである。 また、敗血症・VA-ECMO導入症例におけるNOMI発症予防前向きコホート研究として、D-乳酸、i-FABP、Citrullineなどの腸管虚血マーカーの経時的探索を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
ラット敗血症性心筋症モデルを使用したVA-ECMOの治療効果を検討するため、救急医学講座研究室に設置済みである超音波血流計(transonic T402)について血管用モジュール(TS420)に加えて、チューブ用モジュール(TS410)を本研究費での購入を予定していたが、先行研究(16K11413)に経費を計上したため、差額が生じた。 本年度、経時的モニタリングに使用し、データ抄録・解析システムであるLabChartおよびコンピュータの更新を予定している。
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