研究課題/領域番号 |
19K09421
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
原田 敬介 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00560004)
|
研究分担者 |
井上 弘行 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30721568)
文屋 尚史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50721586)
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 敗血症 / 敗血症性心筋症 / VA-ECMO / 急性腸管虚血症 / 非閉塞性腸管虚血症 |
研究実績の概要 |
ラット敗血症性心筋症モデルを使用したVA-ECMOの治療効果と各臓器への影響の評価、およびラット非閉塞性腸管虚血症(Non occlusive mesenteric ischemia、以下NOMI)モデルを使用した腸管血流動態の解明を目的とした動物実験を行った。 各々のラットモデルにおいて、インドシアニングリーン(Indocyanine grenn、以下ICG)を静脈内に投与し、腸管を主体として各臓器を摘出し、病理組織学的検索を行った。病理組織学的検索では、HE染色標本による通常光観察に加えて、専用の観察フィルターを使用し、蛍光顕微鏡(KEYENCE BZ-X700)を用いた病理組織標本でのICG観察を行った。 また、NOMIに代表される腸管虚血症(Acute mesenteric ischemia、以下AMI)を生じた症例を後方視的に解析し、特にVA-ECMO導入中にAMI・NOMIを生じ、試験開腹・腸管切除を行った症例について、術中に虚血範囲の同定を目的としてICGを静脈投与し、蛍光観察と病理組織学的検索を行った。腸管の切除標本(HE染色)での腸管壁の構造変化の検索に加えて、蛍光顕微鏡を用いた腸管切除標本でのICG観察を行い、術中のICG観察所見と病理組織での観察所見との対比による検討を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も前年度から続くCOVID-19感染症の流行拡大によって、本学付属病院高度救命救急センターでの業務に加えて、昨年度に動物実験を行っている救急医学講座研究室がある大学棟の施設移転工事が重なった。このため、一定期間の実験中止や、移転後の新施設での実験再開にタイムラグが生じたため、当初の計画と比べやや遅れている。 また、ラット敗血症性心筋症モデルへのVA-ECMO導入において、呼吸・循環動態が不安定な病態を再現し実際の治療介入を想定している。しかし、小動物での実験系であるため、安定した実験継続には至っておらず、更なる研究継続と微細な研究計画修正が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在行っているラット敗血症性心筋症モデル、ラットNOMIモデルを利用したVA-ECMO導入による腸管血流動態の解明および、腸管を主体とした各臓器の病理組織学的検討を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も前年度から続くCOVID-19感染症の流行拡大によって、本学付属病院高度救命救急センターでの業務に加えて、2021年度に動物実験を行っている救急医学講座研究室がある大学棟の施設移転工事が重なった。このため、一定期間の実験中止や、移転後の新施設での実験再開にタイムラグが生じたため、実験の進捗に影響が出たため、使用額にも差異が生じた。発生している残額については、本年度研究を実施する中で、ELISAなど血液検体測定に関わる必要物品・消耗品の購入に充当する予定である。
|