研究課題/領域番号 |
19K09431
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
今村 浩 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60283264)
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研究分担者 |
新田 憲市 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (00381228)
望月 勝徳 信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (40467163)
嘉嶋 勇一郎 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (70545722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 病院前救急医療 / メディカルコントロール / 画像伝送 / IT |
研究実績の概要 |
本研究では、救急現場の画像や音声の情報を救急救命士がリアルタイムでオンラインメディカルコントロール(MC)医師に伝えるとともに、救急救命士とオンラインMC医師の間で双方向性コミュニケーションを行って特定行為など医行為の質を向上させるシステム(ビジュアルオンラインMCシステム)開発を行い、このシステムが、実際の救急医療の場において効果を発揮するか否か検討することを目的とした。 2019年度に、(株)エプソンからヘッドマウントディスプレイ実機を借り受け、救急現場や救急車内での使用についての問題点を抽出する作業を行った。また松本広域消防局および松本広域連合との間で実証実験の協定を結んだ。さらに(株)国際航業とエプソン、大学との間で技術的問題について協議を行った。2020年度、2021年度はヘッドマウントディスプレイを使った現場救急隊との画像伝送とそれを用いたオンラインMCの実証実験を行った。 実証実験は、COVID-19感染症の蔓延により、救急隊員が多くの出動事案でゴーグル着用することとなり、ヘッドマウントディスプレイ装着に支障をきたすようになった。COVID-19の影響の少ない時期とエアロゾル発生手技以外の事案を選択したため、症例の集積に時間を要し、2021年6月まで実証実験を行った。現場救急隊からは、接続に時間がかかる、活動に支障がでる等の改善点が上げられ、機器やシステム改良の参考とした。評価点としては、リアルタイムの画像情報共有で適切な助言や安心感などが得られるという意見が得られた。 ビジュアルオンラインMCシステムは各都道府県に既に導入されている救急医療情報システムと連携することにより、さらに汎用性のあるシステムとして、社会に大きなインパクトを与えることが期待される。なお、特筆すべきこととして、本研究の取り組みは、2021年3月に内閣府が主催する「第3回日本オープンイノベーション大賞」厚生労働大臣賞を受賞した。
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