研究課題/領域番号 |
19K09432
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
齊藤 岳児 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50402277)
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研究分担者 |
小川 高志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (30839072) [辞退]
高橋 善明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50647386)
安井 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 特定研究員 (60804937)
堀田 健介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60839215)
吉野 篤人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90240332)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ドローン / マルチコプター / 災害医療 / 救急医学 |
研究実績の概要 |
無人ドローンを使用し傷病者の態勢を把握することができたため、同ドローンを用いて2020年度に行う傷病者バイタルの評価ができるかどうかの研究を行った。上空から呼吸の有無を判定するため、「傷病者に直接着陸する」群と「傷病者上でホバリングする」群とで比較検討をした。46名の被験者にそれぞれフライトを行い、被験者が背臥位の状態と腹臥位の状態で呼吸判定を行った。2名の専門医が判定を行い、ともに正しかった場合を正解とし、2名が異なる判定をしたときには未決定とし、2名とも間違えた場合には不正解とした。背臥位/腹臥位ともに、傷病者に着陸する群では95-100%近い正解率であったのに対して、ホバリングをする群では30-40%と低い正解率であった。また、ホバリング群での誤答の内訳を調べると、「呼吸あり」を「呼吸なし」と判定することが多く(つまり生存しているものを非生存と判断してしまっていた)、助けうる傷病者を見逃す危険な判定をしていることが分かった。また、直接着陸群ではすべての症例でドローンは着陸成功し、腹部着陸ではやや左右に広く着陸し、背部着陸では頭尾に広く着陸した。結論として、ドローンを用いたバイタル評価をするためには、何らかの形で傷病者に直接接することが重要だと思われた。しかし、ディープラーニングの精度を上げたり、転送する画質の向上することが可能になれば、状況は変わると思われた。これらの結果は、第27回日本航空医学会で発表され、論文としてパブリッシュされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
傷病者評価をするための小型車両がまだ完成しておらず、研究計画はやや遅れている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、ディープラーニングを用いた傷病者解析よりも、カメラを通した人間の目での判定の方が確実なため、ディープラーニング解析と同時に、画像を鮮明に転送することを重視していく。また、小型車両自体もやや大きくなりそうなので、それに加えさらに小型の車両もしくはロボットを投入していき、リアルな現場に適応していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ローバーとアームと同時に開発ドローンを購入する予定となっているため。実験自体は進めることができている。
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