研究課題/領域番号 |
19K09433
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中橋 奨 三重大学, 医学部附属病院, 技術補佐員 (40761896)
|
研究分担者 |
志馬 伸朗 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00260795)
高橋 理 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 教授 (60505030) [辞退]
今井 寛 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (00184804)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 医療の質 / 医療の質指標 / サーベイランス / VAP / VAE / 人工呼吸器関連肺炎 / 人工呼吸器関連事象 / 集中治療 |
研究実績の概要 |
患者登録期間は2020年5月~2022年12月、参加施設は18施設(DPC対象急性期病院)であり、研究対象はICUで加療を行った人工呼吸器装着3日以上の患者(12歳以上)と設定した。医療の指標の一つとしてVAEに照準を絞り調査した。VAE診断基準は、CDC-VAE surveillanceプロトコルに準拠した。全登録患者数は1,100名である。VAE発生患者数は111名だった。VAE発生率は、10.0/1,000人工呼吸器日であり、平均発生日は人工呼吸開始8.5日目だった。VAEの内訳は以下の通りだった:VAC=68名(61%)、IVAC=21名(19%)、PVAP=22名(20%)。又、VAE主要病態は次の通りだった:Pneumonia 34名(31%)、Pulmonary edema 16名(14%)、atelectasis 17名(15%)、ARDS 27名(24%)。VAEのICU死亡率は41%と高値だった。VAE発生は、非発生患者と比較して「鎮静剤 free days」「抗生剤free days」「人工呼吸器 free days」「ICU在室日数」「病院死亡率」が異なる傾向にあった。加えて「重症度スコアSOFAの推移」「RASSの推移」「輸液量の推移」「抗生剤使用割合の推移」「鎮静剤使用割合の推移」「人工呼吸器使用割合の推移」に違いを認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該研究は集中治療領域での研究である。コロナパンデミックに直接の影響を受けた。 人命救助を優先せざるを得ない状況だった。
|
今後の研究の推進方策 |
目的としたICUの人工呼吸患者の臨床データベースは構築できた。1,000名以上という一定数も確保した。従って本解析に移る。本解析は、VAEがICUの人工呼吸患者における新たな医療の質指標となり得るかを調査する為、まず第一にVAEと死亡との因果関係及び寄与リスクをより高度な統計手法を用いて分析する。第二にリスク因子の解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響を直接被り、研究全体の進捗が遅れてるためである。これより実施する本解析に対して使用する予定である
|