研究課題/領域番号 |
19K09435
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
金田 浩太郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70379999)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マムシ咬傷 / マムシ抗毒素血清 / セファランチン / プロトコル |
研究実績の概要 |
2020年4月22日に当院のIRBからの承認が得られたため、同日より症例登録を開始した。2020年6月30日に最初の症例の登録があり、2021年3月31現在で計29例の登録となっている。症例の平均年齢は72歳、男性12名、女性17名、来院時の重症度はGradeⅠ(咬まれた局所の腫脹)が7名、GradeⅡ(手関節、足関節までの腫脹)が14名、GradeⅢ(肘・膝関節までの腫脹)が2名、GradeⅣ(1肢全体に及ぶ腫脹)が4名、GradeⅤ(体幹に及ぶ腫脹・全身症状を伴うもの)が2名であった。マムシ抗毒素血清は18名に投与され、27名は生存退院、2名が状態改善による転院となっていた。入院期間は平均6日で4名はICUで管理されていた。 2019年度に引き続き参加施設の募集を継続した。2021年3月31日現在で参加施設は23施設となり、1施設はIRBの承認を待っている状況である。また、定期的に参加施設に対して症例登録とデータの入力の呼びかけを行なった。 2020年8月26~28日に行なわれた第23回日本臨床救急医学会総会・学術集会で予備調査の結果を報告した(新型コロナの影響のため紙上開催)。山口県内の救急指定病院にアンケート調査を行ない、65病院のうち50病院から回答を得、マムシ抗毒素血清は32/50の病院で使用可能、セファランチンは28/50の病院で使用可能、腎代替療法は14/49の病院で施行可能、マムシ抗毒素血清を使用できる病院のない保健医療圏は認められなかったこと、マムシ咬傷治療プロトコルを定めているのは14/49の病院であったことなどを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マムシ咬傷は夏に多く、当初の予定では2019年度の夏までにデータ登録システムを稼働させる予定であった。患者情報登録フォーム作成の経過で調査項目修正の必要性が生じたが、INDICE cloudでは患者登録開始後はフォームの修正が不可能であることが判明し、検討と検証を重ねて患者情報登録フォームを作成した。そのためデータ登録システム稼働に時間を要し、初年度の患者登録が得られなかった。2020年度については比較的順調に進行しているが、参加施設数に比較して登録症例数が伸び悩んでいる。学会発表等で参加施設を募る予定であったが、新型コロナの影響のため学術集会が延期や中止、紙上開催などとなり思うように進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
目標参加施設数を30施設に増加していたが、現在の参加施設は23施設にとどまっている。学術集会等で参加施設を募り、参加施設を増やす予定である。また、研究期間を1年延長し行なう予定としている。参加施設に対してはメールやWEB会議で定期的に症例登録とデータの入力の呼びかけを行なって行く予定である。
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