2021年10月31日までに登録のあった54例の症例を解析し、2021年11月23日、第49回日本救急医学会総会で報告した。症例は2020年、2021年とも5月より増加し、7・8月をピークに11月まで認められた。年齢の中央値は74(四分位範囲:62-81)歳、男性26名、女性28名で、来院方法は独力25名、救急車15名、紹介11名、その他3名であった。受傷部位は手39名、足9名、下腿3名、前腕1名で、複数箇所受傷した症例が2名認められた。来院時の重症度はGradeⅠ(咬まれた局所の腫脹)が14名、GradeⅡ(手関節、足関節までの腫脹)が25名、GradeⅢ(肘・膝関節までの腫脹)が6名、GradeⅣ(1肢全体に及ぶ腫脹)が6名、GradeⅤ(体幹に及ぶ腫脹・全身症状を伴うもの)が3名であった。行われた治療内容は咬傷部位切開が8名(15%)、マムシ抗毒素血清投与が33名(61%)、抗菌薬投与が37名(69%)、セファランチン投与が38名(70%)、ステロイド投与が25名(46%)、腎代替療法が1名(2%)で行われており、減張切開を行われた症例は認められなかった。転帰は生存退院が50名、改善による転院が2名で死亡例は認められなかった。入院日数の中央値は(四分位範囲3-8)日で、極期の重症度はGradeⅠ(咬まれた局所の腫脹)が9名、GradeⅡ(手関節、足関節までの腫脹)が3名、GradeⅢ(肘・膝関節までの腫脹)が18名、GradeⅣ(1肢全体に及ぶ腫脹)が16名、GradeⅤ(体幹に及ぶ腫脹・全身症状を伴うもの)が8名であった。
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