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2019 年度 実施状況報告書

EDHFに着目した腸管由来敗血症における新しい重症度評価の試み

研究課題

研究課題/領域番号 19K09439
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

服部 友紀  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90363936)

研究分担者 橋谷 光  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10315905)
高橋 広城  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードEDHF / 大網内細動脈 / 敗血症モデルrat
研究実績の概要

腸管由来の敗血症(穿孔性腹膜炎、腸管壊死など)は他の感染巣が原因の敗血症と比較して予後不良である。敗血症の病態では血管内皮が障害されるという報告は多い。血管内皮から放出される重要な血管拡張因子には一酸化窒素(NO)、プロスタグランディン(PGs)、血管内皮由来過分極因子(EDHF)がある。EDHFは血流調節因子として最も重要視されているが「過分極」という電位反応を確認する必要があり、その実験系の困難さから NOやPGsに比較して研究は進んでおらず、未だに正体も不明のままである。敗血症病態でのEDHFの報告に至っては皆無の状況である。我々は細動脈での電位測定を行える設備・環境と技術・経験を備えているため、今回敗血症時のEDHF機能を膜電位変化によって確認し、EDHFの障害と治療経過との関連について確認するというするという世界初の試みに挑戦している。
初年時は、敗血症モデル動物としてウサギを用いて、
①エンドトキシン投与による敗血症モデル
②CLP法(麻酔科に開腹手術を行い盲腸を結紮・人為的に穿孔させて腹腔内感染・汎発性腹膜炎を惹起させる)による敗血症モデルを作成し、腸間膜動脈を用いた微小電極法によりEDHF反応の障害の有無を確認する、ことを計画した。(その後、ヒトでのコントロール及び腹膜炎手術後の大網内細動脈におけるEDHF反応を確認する研究を進める)
実際のところ、敗血症モデル動物として当初はウサギの予定であったが共同研究者との協議の結果、Ratを使用することとした。Rat(コントロール)の胃大網動脈及び脾動脈のEDHF成分はapaminnで抑制される成分が主であることを確認した。またNO成分についてはフェニレフリン収縮下の弛緩反応で確認した。敗血症モデルRatのためエンドトキシンを20mg/kgivから開始し、5mg/kg ivが適切の様だが例数を重ねている段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ratにおけるコントロール反応は確認できており、現在エンドトキシン投与量も決定できている。しかしCOVID-19感染拡大の影響で臨床に時間を取られていること、研究室や動物の使用が制限されていることなどから、CLP法によるモデル動物作成に着手できていない。

今後の研究の推進方策

今後はエンドトキシン投与モデルでの同血管(痛胃大網動脈及び脾動脈)のEDHF成分を微小電極方で確認していく予定である。また我々研究室でのratへのCLP法での腸管由来敗血症モデルの確立を目指す。
同時に,
消化器外科と連携して開腹手術時の切除腸管から血管標本を作成して、ヒトにおける大網内細動脈でのEDHF反応を確認するため倫理委員会への研究申請書を作成しているところである
CLP法については他施設に見学に行くことを計画しているがCOVID-19感染拡大のため計画は休止している
日常生活への復帰とともにCLP法、倫理委員会申請なども随時行っていく

次年度使用額が生じた理由

微小電極法の測定機器は備わっているが、敗血症モデルラット作成のためRat、種々の試薬、検査キット、メディエーター測定機器の購入が必要となる。またCLP法手技獲得のための他施設への見学費用(旅費など)及び研究成果発表のため国内外の学会発表や論文発表の経費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Mucosa-Dependent, Stretch-Sensitive Spontaneous Activity in Seminal Vesicle.2019

    • 著者名/発表者名
      Takeya M, Hayashi T, Hashitani H, Takano M.
    • 雑誌名

      Adv Exp Med Biol

      巻: 1124 ページ: 217-223

    • DOI

      10.1007/978-981-13-5895-1_9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 治療成績から見えてくる超高齢重症患者の治療の改善余地と限界2019

    • 著者名/発表者名
      服部友紀
    • 学会等名
      第34回日本救命医療学会総会・学術集会
  • [学会発表] 急激な経過を辿ったインフルエンザ脳症の一例2019

    • 著者名/発表者名
      坪田真美
    • 学会等名
      第34回日本救命医療学会総会・学術集会
  • [学会発表] The influence of tying the extremity with a tourniquet for sampling venous blood on peripheral venous blood gas and lactate level2019

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Hattori
    • 学会等名
      10th Asian Conference for Emergency Medicine
    • 国際学会
  • [学会発表] 醤油多量摂取による超急性高Na血症に対し、急速な補正を行い良好な神経学的予後を得た一例2019

    • 著者名/発表者名
      五島隆宏
    • 学会等名
      第46回日本救急医学会総会・学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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