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2019 年度 実施状況報告書

患者個別バーチャルリアリティと拡張現実を複合した腹部外傷外科シミュレーター構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K09443
研究機関帝京大学

研究代表者

伊藤 香  帝京大学, 医学部, 講師 (00814633)

研究分担者 矢野 博明  筑波大学, システム情報系, 教授 (80312825)
杉本 真樹  帝京大学, 付置研究所, 特任教授 (70398733)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード外傷外科 / バーチャルリアリティ / シミュレーション
研究実績の概要

第一段階「腹部外傷VRモデル」の作成の一環として、患者固有の術前CT画像3Dコンピューターグラフィック化および立体視化を行った。立体視化画像に有用性の評価のために、研究代表者所属施設の外科系救急医らを対象に、Mixed realityウェアラブルグラスを装着した上で画像立体視を体験させ、腹部造影CT画像と立体視化画像の両方を閲覧しながら症例検討を行い、立体視画像が及ぼす影響に関してインタビュー調査を行い、演題名「複合現実(Mixed reality)による腹部外傷アセスメント・手術シミュレーションの開発と臨床評価」として、第120回日本外科学会定期学術集会にポスター発表採択された。
次に、立体視化画像を使用した外傷診療シミュレーションモデルを作成した。シミュレーション用マネキンに立体視化画像を投影させながら、当院救急医らを対象に実際の臨床経過に合わせた外傷初期診療のシミュレーションを行い、シミュレーション後に被験者からアンケート調査を行った。調査の結果は演題名「THE EFFECT OF EXTENDED REALITY TECHNOLOGY ON TRAUMA PATIENT CARE SIMULATION」として、American Association of Surgery for Trauma and Acute Care Suregryの2020年定期学術集会に演題応募した。また、シミュレーションの様子はビデオ撮影し、演題名「A trauma patient care simulation using extended reality technology in the hybrid emergency room system (HERS)」として、American College of Surgeonsの2020年度定期学術集会のビデオセッションに演題応募した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初1年目の目標としていた、第一段階「腹部外傷VRモデルの作成」a.患者固有の術前CT語族の3DCG化・立体視化を行うことが出来、本来なら3年目に行う予定であった第4段階「腹部外傷外科手術VRシミュレーターの評価」の初期段階となる、立体視画像に関する評価と、それを用いた外傷手術シミュレーションの評価を行うことが出来た。その過程で、第3段階「第1・第2段階で作成した立体視化3D画像を用いた外傷手術電子教科書の作成」に使用することのできる立体視化画像も蓄積されている。
2020年2月からの新型コロナ肺炎感染拡大対策を受けて、院外の共同研究者らが研究代表者所属施設へ入れなくなったことにより、第2段階「自由視点映像技術を使用した多視点カメラによる実際の外傷手術映像を用いた3Dモデルの作成」に着手できないでいる。

今後の研究の推進方策

新型コロナ肺炎感染が収束し、院外の共同研究者が研究代表者所属施設へ入れるようになった時点で、第2段階「自由視点映像技術を使用した多視点カメラによる実際の外傷手術映像を用いた3Dモデルの作成」に着手する。第1段階「腹部外傷VRモデルの作成」、第3段階「第1・第2段階で作成した立体視化3D画像を用いた外傷手術電子教科書の作成」、第4段階「腹部外傷外科手術VRシミュレーターの評価」は、研究代表者所属施設で対象患者の画像を用いて、引き続き、症例を蓄積し、適宜、評価を行っていく。2020年度中に第3段階を行い、20201年度に、第1-3段階を集結させた外傷手術VRシミュレーターを完成させ、第4段階を完結させる。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は、研究計画第一段階を進め、そのために必要な経費が掛かった。本来であれば、第2段階の「自由視点映像技術を使用した多視点カメラによる実際の外傷手術映像を用いた3Dモデルの作成」のために必要な、撮影用のカメラの購入や、テスト撮影のための経費が見込まれていたが、2月以降、新型コロナ肺炎感染拡大にて院外共同研究者との活動が不可能となり、先送りとなった。そのために必要な経費が次年度使用額となった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 3自由度可動式タッチスクリーンを用いた臓器硬さ提示2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 弘一郎(筑波大学 大学院システム情報工学研究科), 矢野 博明, 伊藤 香, 大城 幸雄
    • 雑誌名

      日本コンピュータ外科学会誌

      巻: 21 ページ: 269-270

    • DOI

      1344-9486

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【日本の救急医学・医療のこれから】専門家が語る救急医学・医療のこれから XR技術を活用した救急医療教育2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 香
    • 雑誌名

      救急医学

      巻: 43 ページ: 1847-1851

    • DOI

      0385-8162

  • [雑誌論文] 拡張現実による外傷外科バーチャルリアリティ教育システムの展望2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 香(帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター), 杉本 真樹, 大城 幸雄, 矢野 博明, 北原 格, 藤田 尚, 三宅 康史, 坂本 哲也
    • 雑誌名

      日本臨床救急医学会雑誌

      巻: 22 ページ: 239

    • DOI

      1345-0581

    • 査読あり
  • [学会発表] 複合現実(Mixed reality)による腹部外傷アセスメント・手術シミュレーションの開発と臨床評価2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 香、杉本真樹、角山泰一朗、長尾剛至、朝長鮎美、高野かおり、三宅康史、坂本哲也、藤田 尚
    • 学会等名
      第120回日本外科学会定期学術集会
  • [学会発表] 拡張現実による外傷外科バーチャルリアリティ教育システムの展望2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 香、杉本真樹、大城幸雄、矢野博明、北原格、藤田尚、三宅康史、坂本哲也
    • 学会等名
      第22回臨床救急医学会・学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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