研究課題
【第1段】腹部外傷VRモデルの作成「a.患者固有の術前CT画像3Dコンピューターグラフィック(3DCG)化および立体視化」:実際に立体視化画像を数例作成し、外傷初期診療シミュレーションのデモンストレーションを数パターン行い、NASA-TLXスコアなど、先行研究で使用されていた既存の評価項目による評価を行った。評価結果は、第120回日本外科学科I定期学術集会(2020年8月)ポスター発表、American College of Surgeons Clinical Congress(2020年10月)ビデオ発表、第56回腹部救急医学会総会ランチョンセミナー(2020年10月)講演、5th World Trauma Congress(2021年2月)ポスター発表、第57回腹部救急医学会総会(2021年3月)シンポジウムで発表した。ビデオ付き論文をJournal of Trauma and Acute Care Surgeryに発表した(2021年1月オンライン先行出版)。「b.変形可能な腹部外傷手術シミュレーターの開発」:共同研究者の矢野の指導の下、外傷手術手技に必要な手技の一つ、「腹腔内大動脈遮断」を再現するコンピューターグラフィックに力覚装置を付加したシステムを作成中である。【第2段階】自由視点映像技術を使用した多視点カメラによる実際の外傷手術映像を用いた3Dモデルの作成:コロナ禍の影響で、他施設からの研究者を当施設へ招いての現地でのカメラ設置などができなくなった。コロナ禍収束後、動物手術シミュレーションの撮影なども検討している。【第3段階】第1・2段階で作成した3D画像および立体視化画像を用いた外傷手術電子教科書の作成:第一段階での作成物を使用する。【第4段階】第1~3段階で作成した腹部外傷外科手術VRシミュレーターの評価:第一段階開発と同時進行している。
3: やや遅れている
上記でも触れたが、コロナ禍のため、多施設の共同研究者を当施設へ招いての指導を受けられず、研究に必要や撮影装置の設置や撮像実験をすることが全くできなかった。画像の立体視化などのパソコン上で出来る作業は勧めることが出来たが、作成した立体視画像を使用してのシミュレーションも、大人数を集めてやることがコロナ禍のために困難となり、一度に少人数で鹿シミュレーションが出来ず、システム評価のために必要な人数をシミュレーションするのに時間がかかった。
第一段階に関しては、引き続き、さまざまな外傷症例の3DCT画像の立体視化を行っていき、症例を蓄積して、多様なシミュレーションが可能になるようにする。新しいモジュールが作成出来たら、都度、その評価を至適な評価項目を用いて、評価していき、その成果を学術集会や各術師で発表する。第2段階に関しては、コロナ禍が収束しないと遂行が困難ではあるが、動物手術シミュレーションなどの機会を探し、撮影実験を行えるようにする。第3,第4段階に関しては、第1,2段階での成果を使用して作成していく。
2020年度はコロナ禍のために、とくに多施設の共同研究者を招いての実験や、大人数を集めてのシミュレーションの評価を行うことが困難だっため、当初予定していた多視点撮影の撮像実験などのための費用が使用されなかった。今年度は、動物手術シミュレーションなど、多視点撮影の撮像実験などに活用できるシミュレーションを開催するための費用として使用する。研究の成果は積極的に海外学会発表や英文論文として発表する予定である、そのための費用も必要である、
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Journal of Trauma and Acute Care Surgery
巻: 5 ページ: 108-112
10.1097/TA.0000000000003086.