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2019 年度 実施状況報告書

人工呼吸の時間当たりの動的仕事量と肺傷害の重症度との関連性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09447
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所)

研究代表者

川村 篤  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 集中治療科・医長 (00546913)

研究分担者 竹内 宗之  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 集中治療科・主任部長 (00774647)
京極 都  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 集中治療科・医師 (00795445)
柳原 格  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 免疫部門, 部長 (60314415)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード肺傷害 / 人工呼吸 / mechanical power
研究実績の概要

高い換気圧や過大な一回換気量は肺傷害をもたらし、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の予後を悪化させることが証明されている。そのため、これまでは肺傷害を軽減するための人工呼吸方法として、主に圧と容量が注目されていた。しかし、同じ圧や肺容量でも、持続的に高い圧や大きい容量に晒すだけでは肺傷害が起こりにくいことや、吸気流量を増やしたり換気回数を増加したりすると肺傷害が悪化することも示されており、圧や容量以外の因子も肺傷害の発生に絡んでいる可能性がある。これらの現象を一元的に説明するために、人工呼吸により肺にもたらされる単位時間当たりの仕事量(mechanical power)が肺傷害の重症度に関与するという説が提唱された。この説において実際には、合計仕事量が問題なのか、それとも合計仕事量ではなく、時間あたりの仕事量が問題なのか解明されていない。本研究では、一回の換気による仕事量を同じにした人工呼吸で、1分間あたりの換気回数が異なる3群に対し、同じ合計仕事量の人工呼吸を行い、肺傷害への影響を比較する。肺に加えられる仕事量の合計は同じでも、mechanical powerが多い方が、肺傷害が大きくなるという仮説を検証する。
実験にはwistar ratを用いる。全身麻酔下に気管切開と静脈路、動脈路を確保して人工呼吸管理とする。ラットに対する気管切開や血管確保の手技には習熟する必要があるため、2019年度は他施設で手技のトレーニングを行い、自施設での物品確保、実験環境の整備などを行った。2020年度から実験を開始予定である。したがって、学会発表や論文作成には至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験系の立ち上げに時間を要した。具体的にはラットの全身麻酔、気管切開、血管確保の手技の習得に時間を要した。また、当初用意していた動物用の人工呼吸器だけでは目的の呼吸仕事量となるよう設定することが困難であることがわかった。したがって、新たに人工呼吸器の確保が必要になるなど、物品の確保も行った。

今後の研究の推進方策

実験に関係する手技のトレーニングは終了し、物品の確保もほぼ完了した。実際に研究を開始し得る状態である。本年度は実際実験データを採取し、今後学会発表・論文作成を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の感染防止対策のため、学会が中止になったのと、研究室を二人で使用することができなくなったため、旅費参加費や備品購入費を執行しなかった。
次年度の旅費や実験動物購入費用に充てていく予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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