ウイルス療法は脳腫瘍の治療法として注目されている。キャリアとして開発したICG-リポソームは、脳腫瘍局所に集積し、光照射によって開裂して細胞死を誘導する。このときCD-8 T細胞を主体とする免疫細胞の局所浸潤とheat-shock protein-70 (HSP-70)の高発現が確認された。一方で、ウイルス療法ではマクロファージも高浸潤が認められたが、HSP-70の発現は見られなかった。HSP-70はToll-like receptor-4 (TLR-4)のリガンドであり、ICG-リポソームとウイルス療法の併用は、自然免疫系を活性化して獲得免疫へとつなげる強力な免疫療法となることが期待される。
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