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2022 年度 実績報告書

パーキンソン病に対する脳深部刺激療法の治療利益の最大化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09466
研究機関日本大学

研究代表者

深谷 親  日本大学, 医学部, 准教授 (50287637)

研究分担者 小林 一太  日本大学, 医学部, 准教授 (20366579) [辞退]
釋 文雄  日本大学, 医学部, 助教 (90647976)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード脳深部刺激療法 / 長期予後 / 体軸症状 / 認知機能 / 年齢 / 筋緊張低下
研究実績の概要

最終年度としては幸福度の評価について力を入れた。アンケート質問表を作成し脳深部刺激療法を受けたパーキンソン病症例、薬物治療のみのパーキンソン病症例、健常者などの幸福度の違いを検討した。しかし、これらの群間に有意な差はみられず、今回用いた幸福度測定のためのバッテリー(人生満足度尺度SWIS: satisfaction with life scale)では、解析が不十分である可能性が示唆された。また他にもコロナ下であったことなど環境要因の影響が理由として考えられた。
また、これまでの研究からは、十分な効果が期待できるのは振戦以外はlevodopaに反応のある症状であることがわかった。逆に効果が期待できない症状は、オンでも残存する症状で、とくに体軸症状であることが多い。構語障害や嚥下障害も含めた左右差のない症状には一般的に効果が乏しく、効果の持続性も期待できないことがわかった。
術後長期にわたって日常生活動作が維持できる症例の特徴としては、発症年齢が若いこと(p<0.05)と手術時年齢が若いこと(p<0.01)であることがわかった。罹病期間には有意差は検出されなかった。MMSEにも有意差が認められた(p<0.01)。多変量解析の結果からも、より手術時年齢が若く認知機能の低下していない症例に、術後長期的な日常生活動作の自立が期待できる可能性が高いことがわかった。
さらに、日常生活動作を侵害する要因として術後にしばしばみられる筋緊張低下にも注目した。この原因と対策について検討したところ、こうした症例では筋緊張低下による姿勢保持障害が起こり、日常生活動作が低下することがわかった。原因として過剰治療が考えられ刺激強度の軽減などが対策として推奨される。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Parkinson類縁疾患に対する脳深部刺激療法2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親、森 史、池田俊勝、大島秀規
    • 雑誌名

      脳神経内科:特集 Parkinson病および類縁疾患の新しい治療

      巻: 96(2) ページ: 183-188

  • [雑誌論文] 「ニューロモデュレーションの新時代:機器の進歩と臨床応用」によせて2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 雑誌名

      ペインクリニック特集「ニューロモデュレーションの新時代:機器の進歩と臨床応用」(編集 深谷 親)

      巻: 43(6) ページ: 589-590

  • [学会発表] 精神外科の歴史と現状(シンポジウム2機能神経外科の多様性:ジストニア・精神関連疾患への応用)2023

    • 著者名/発表者名
      深谷 親、森 史、池田俊勝、渡辺 充、大島秀規、吉野篤緒
    • 学会等名
      第62回日本定位・機能神経外科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 回復期リハビリテーション病院における連日の早期磁気刺激治療併用の有用性(シンポジウム8 診療連携の多様協創-私達はこうやって治療・管理する-)2023

    • 著者名/発表者名
      山本隆充、前島貞裕、深谷 親、川口俊太郎、中村恒太、朝倉悠太郎、江見翔太、佐藤智仁、小林武司、小林剛、吉村美鈴、新井 萌、赤嶺孝浩
    • 学会等名
      第62回日本定位・機能神経外科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューロモデュレーション診療における当施設の診療連携(シンポジウム8 診療連携の多様協創-私達はこうやって治療・管理する-)2023

    • 著者名/発表者名
      大島秀規、森 史、渡辺 充、池田俊勝、大渕敏樹、深谷 親、市川 忠、吉野篤緒
    • 学会等名
      第62回日本定位・機能神経外科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 当施設におけるaDBSの使用経験と問題点(シンポジウム1パーキンソン病に対する最新技術を用いた外科治療―私はこう治療しているー手術適応、ターゲティング法、刺激調整法など)2023

    • 著者名/発表者名
      池田俊勝、大島秀規、渡辺 充、森 史、深谷 親、吉野篤緒
    • 学会等名
      第 62回日本定位・機能神経外科学会
  • [学会発表] 脳深部刺激療法における手術部位感染の対策2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺充、森史、大渕敏樹、池田俊勝、加納利和、大島秀規、深谷親、吉野篤緒
    • 学会等名
      第62回日本定位・機能神経外科学会
  • [学会発表] 長期にわたるデバイス留置や多数回のIPG交換術によりデバイス・トラブルは増加するか?2023

    • 著者名/発表者名
      森 史、渡辺 充、池田 俊勝、大島 秀規、深谷 親、吉野 篤緒
    • 学会等名
      第62回日本定位・機能神経外科学会
  • [学会発表] 意識障害のメカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 学会等名
      意識障害学会講習会
    • 招待講演
  • [学会発表] パーキンソン病のDBS: これまでの知見とこれからの展望2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 学会等名
      パーキンソン病WEBセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 脳深部刺激療法‐実際の臨床2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 学会等名
      第13回ニューロモデュレーション学会指定講習会NMSPコース
    • 招待講演
  • [学会発表] パーキンソン病と脳深部刺激療法と脳について2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 学会等名
      パーキンソン病Webセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] パーキンソン病に対するDBS: COVID-19院内感染に関する問題2022

    • 著者名/発表者名
      森 史、竹内 彬、渡辺 充、池田 俊勝、大島 秀規、深谷 親、吉野 篤緒
    • 学会等名
      第53回関東機能的脳神経外科カンファレンス
    • 招待講演
  • [図書] ペインクリニック特集号「ニューロモデュレーションの新時代:機器の進歩と臨床応用」2022

    • 著者名/発表者名
      深谷 親
    • 総ページ数
      116
    • 出版者
      新興交易(株)医書出版部

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公開日: 2023-12-25  

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